コラム

【履歴書編】あなたの履歴書は大丈夫?押さえておきたいNG&Goodポイント

2023.03.12転職・就職 Loadingいいね

アルバイトの採用面接から就職・転職まで、履歴書を書く機会は多いのではないでしょうか。
今回はあらためて、履歴書の常識と非常識、押さえておきたいNG&Goodポイントを確認していきましょう。

 

履歴書の基本的な書き方

履歴書のフォーマットはJIS企画で決まっていますが、独自フォーマットを指定する企業もあります。まずは、応募先企業から履歴書の形式について特別な指示がないかを確認しましょう。

様式・用紙

履歴書の様式は「JIS規格履歴書」が標準ですが、独自の工夫のある類似形式のフォーマットも市販されていたり、Web上からダウンロードできたりします。応募先企業から、JIS規格履歴書と指示されている場合は従いましょう。また用紙サイズはB5版とA4版がありますが、企業の書類はA4サイズに統一されていることが一般的なので、A4版の使用がおすすめです。

手書きかパソコンか

手書きにするか、パソコンで作成するかは指定がない限りどちらでもかまいません。
パソコンでの作成はPCスキルのアピールになる、訂正が容易、複数社に応募する場合に情報の使いまわしが可能などのメリットがあります。手書きの場合は、黒のボールペンか万年筆で丁寧に書き、誤った場合は修正テープや訂正印などは使わず最初から書き直します。消えるボールペンは使ってはいけません。

形式の統一

文章は「です・ます」体で統一します。年号は和暦か西暦、数字は算用数字か漢数字、どちらかで統一します。また、履歴書と職務経歴書では形式を合わせます。

適切な写真

履歴書の写真には「本人単身、胸から上」「サイズ:縦36~40mm、横24~30mmなど」というような注意事項がありますので、規定に合う写真を用意しましょう。面接時と同じようなスーツ着用の清潔感のある服装で、3か月以内に撮影した写真であることが重要です。裏面に氏名と生年月日を書いておくと、応募先で万が一写真が剥がれ落ちた場合に助かります。

空欄がないこと

空欄がないことも重要です。特に書くことがないので空欄にしたのか、記入漏れなのか、見る側には区別が付きません。例えば、通勤時間が1時間未満の場合は「0時間30分」と記入したり、本人希望欄に「貴社規定に従います」と記したりすることで記入漏れではないことがわかります。

志望動機や自己PR

志望動機や自己PRは比較的大きな欄が用意されていますが、簡潔にまとめることに注意しながら8割は埋めましょう。自分と応募先企業の接点を説明できると強みになります。まずは、自分の「できること」と「応募要項」をよく見比べましょう。自分の希望を一方的に述べるのではなく、自分のスキルやキャリアを活かして、応募先の事業にどのように貢献できるのかを明確に述べることが大切です。

 

ありがちなミス

誤字や文字化け

誤字脱字の類は基本的なミスですが、自分で自分のミスに気づくのは難しいため、できれば他の人にチェックにしてもらうとよいでしょう。また、履歴書を電子データでメールに添付して送る場合は、旧字体や機種依存文字、オフィスソフトのバージョン違いなど様々な理由で文字化けする可能性があるので、PDF化して送るのがおすすめです。

保存忘れ

せっかく丁寧に作成しても、保存ができていなくて、不意のPCのトラブルで努力の成果が失われる場合があります。作成中は小まめに保存し、保存場所もPC・クラウドストレージ・外部メディアなど複数箇所に分散しておくと、不意のトラブルでデータが失われても安心です。

選択間違い

近年よくあるWeb上で履歴書を作成できるサービスでは、経歴に関する部分、特に生年月日や学歴、雇用形態など選択式になっているものが珍しくありません。経歴は間違えると経歴詐称となり、選考中や入社後に大きな問題になります。間違いのないよう慎重に選択しましょう。

自由記述欄の空白

自由記述欄の空白は印象が悪く、記入漏れを疑われかねません。応募者の人となりを知るための項目ですので、8割程度は記入しましょう。本人希望欄に関しても「貴社規定に従います」のような決まり文句で良いので必ず記入します。

志望動機の更新忘れ

PCで履歴書を作る場合に起こりやすいのが、志望動機の更新忘れです。志望動機は応募先企業ごとにアピールする内容を変えて提出することが重要ですが、一度使用した履歴書を再利用する場合に志望動機を書きかえるのを忘れてしまうことがあります。志望動機がチグハグな印象の履歴書となり、失敗する原因となりますので注意しましょう。

 

よくあるNGパターン

ミス以外にも、伝えたいことが伝わらなかったり、履歴書の内容がマイナスに受け取られたりするというNGパターンもあります。

アピールしたいことが伝わらない

受賞歴を書く場合、アピールしたい受賞の内容や価値が具体的に伝わらないというケースがあります。アピールが伝わらないだけでなく、人に伝える配慮が足りない点をマイナスイメージとして受け取られかねません。受賞の理由となった業績や賞を競った人数などを、定量的に記載するとわかりやすくなるでしょう。

【NG例】

【受賞歴】
  • 2012年 4月 新人賞受賞
  • 2013年 9月 クオータリー賞受賞

以上の表記では、どの様な実績に対しての受賞か、賞の規模がどれくらいかが分かりません。

【OK例】

【受賞歴】
  • 2012年 4月 新人賞受賞
    ※月間で最も活躍した新入社員に贈られる賞です。
    同期20人中で最も高い営業成績を評価されました。(契約額:1023万円、同期平均:775万円)
  • 2013年 9月 クオータリー賞受賞
    ※4半期に1度、全社員(500名)の中で最も活躍した社員を部単位で推薦・選考で贈られる賞です。
    (当期の部の目標契約額2010万円に対し、獲得契約額2814万円、達成率:140%)

受賞対象や評価期間を明記し、評価された内容を具体的な数値で示すことでわかりやすくなりました。

資格の書き漏れまたは誤記

資格も重要なアピールポイントになります。普通自動車第一種免許はアピールにならないと思い書かない人もいるようですが、必ず書いたほうが良いでしょう。営業職などでは普通自動車第一種免許を持っているかが必須となり、履歴書の資格欄でチェックされる場合もあります。資格は書き漏らしたり、略称や通称で書いたりしないように充分注意しましょう。

以下にあげた例のように、比較的有名で略称でも通じるような資格や免許でも、略称や通称で書くのはNGです。正式名称で記入しましょう。

【NG例】

  • AAT自動車免許
  • 簿記2級
  • 英検2級
  • FP2級

【OK例】

  • 普通自動車第一種免許(AT限定)
  • 日商簿記検定2級
  • 実用英語技能検定2級
  • ファイナンシャル・プランニング技能士2級

経験企業の法人格を書いていない

経験企業の法人格を書いていなかったり、誤っていたりというのも表記ミスと受けとられてしまいます。業界内で同名の会社があるが規模が大きく違う場合もあり注意が必要です。経歴が正しく伝わらないと、イメージダウンやトラブルの原因にもなりかねません。

【NG例】

  • ABC
  • (株)ABC
  • (財)DEF協

【OK例】

  • ABC株式会社
  • 株式会社ABC
  • 財団法人DEF協議会

法人格の漏れもですが、前株、後株の間違いや、(株)のような省略表記もNGです。略さずに「株式会社」と法人格を正しく書きます。

志望動機と自己PR

志望動機や自己PRも注意を要するところです。企業が知りたいのは、応募者が自社で働いた時の意欲や貢献度です。また、競合他社の中でなぜ自社を選んだのかという、志望の本気度合いを知りたいという思いもあります。

【NG例】

残業ばかりで自分の時間が作れないので、残業が少ない環境で働きたいという理由です。
貴社の製品はとても魅力的で、使いやすく、生活に無くてはならないものだと思います。
そんな製品を作る貴社で、営業経験を活かして働きたく志望しました。

待遇や希望は重要なことではありますが、企業側が聞きたい事ではありません。また、志望動機も曖昧で、応募先ならではの特色を理解していないと見なされるでしょう。

【OK例】

貴社の製品○○は競合の○○と比較した際に、○○という点で革新的です。
そうした革新性は、貴社のミッションステートメントの体現と感じられ、感銘を受けました。
貴社の業務の○○という分野で、前職で培ってきた○○というスキルを役立てて働きたいと思い志望しました。

以上のように添削することで「貴社の製品は魅力的」に具体性をもたせ、「なぜこの会社を選んだのか」という理由に結びつけています。また、自分のスキルを活かして応募先企業で何ができ、何がしたいのかが述べられています。

まとまりがなく分かりにくい

短い文章であっても、構成をよく考えて、まとまりのある文章を書きましょう。思いつくままダラダラ書いたような文章は、多くの履歴書を読まなければならない採用担当者にとってはマイナスポイントの材料にしかなりません。

 

提出後にミスが発覚した場合の対処

提出後にミスに気付いてしまった場合は、どう対処すればよいでしょうか。

基本的に再送はしない

1~2ヶ所の誤字程度であれば再送は控えましょう。また、無断で再送するのは、担当者が混乱するだけでなく、差し替えなどの手間も発生します。連絡先の間違えなど、選考に支障を来すような誤りであった場合は訂正を申し出ましょう。

提出後の場合は採用担当に連絡を

基本は採用担当に連絡をとって、訂正したい内容を伝え、指示に従います。連絡方法はメールでも電話でも構いません。

面接時に伝える

面接当日など、訂正する時間がないタイミングで気付いた場合は、面接官に口頭で伝えます。誤りの内容と程度にもよりますが、面接があらぬ方向に進まないよう、早めに訂正内容を伝えます。

ミスと選考への影響

履歴書の誤字が1~2ヶ所あった程度で、不採用に直接つながることはほとんどありません。しかし、悪い印象を与える可能性は多分にあるので、ミスの無いものを提出するのが大前提と考えましょう。

 

まとめ

求職者と企業の最初の接点が履歴書です。応募者の印象に大きく影響し、履歴書だけで不採用が決まる場合もあります。ミスやつまずきのもとになる要因は思いのほか多く、意外に大きな労力と時間がかかります。転職活動では職務経歴書の方が重要ともいいますが、履歴書は応募先企業と関係を作るファーストステップです。慎重に取り組み、就職活動を成功させましょう。