採用担当者必見!「SNS採用」のメリットと効果、Tiktokの積極活用方法
SNSの普及・拡大により、人材を採用する際に、このSNSを活用する企業が増加しています。
その一方、実際の採用活動においてどのようにSNSを活用すべきか、悩んでいる企業も多いことでしょう。
この記事では、SNSを活用した採用活動のメリットと効果、そして最近非常に注目されているTiktokの活用方法について詳しく解説します。
SNS採用(ソーシャルリクルーティング)とは?
SNS採用とは、ソーシャルリクルーティングとも呼ばれる、SNSを利用して行う企業の採用活動を指します。
多くの人々が利用する様々なSNSを通じて、企業は自社のブランディングや認知度アップ、また求人掲載やスカウト活動など、様々な活動を実施します。
SNS採用が増加している背景
SNS採用が増加している主な背景としては、SNSの発展に伴い、特に若い年代層を中心として、各自の意思決定や情報収集の主たるツールとしてSNSの活用が定着してきたことが挙げられます。
それ以前は、Googleに代表される検索エンジンを使って情報収集していたのに対し、ここ最近では、SNSを駆使して、よりリアルで身近な情報を収集し、身近な人脈を中心とする「クチコミ」を信頼する傾向が顕著になっています。
こうした、まずはSNSで調べ、よりリアルな情報を収集する行動様式は、就職・転職活動においても同様の傾向がみられ、ある民間企業の調査によれば、2022卒業の学生のなんと7割以上がSNSを活用して就職活動を行っているという結果があります。このため、企業の採用活動においても、SNSを取り入れることが急務となっています。
SNS採用のメリット
次に、広く普及したSNSを活用する、企業側のメリットについて解説します。
主なメリットは次のとおりです。
- 就職・転職を希望する「潜在ユーザー層」に対してアプローチできる
- 拡散力が豊富で、多くの利用者にリーチできる
- 企業に関するリアルで身近な情報や、魅力を簡単に発信できる
- 運営コストが非常に安い
求人サイトや人材紹介といった、従来型の採用手法を採用する場合、企業側が候補者に直接アプローチできるのは、就職・転職を目的として各サイトに登録している「顕在層」に限定されます。ところが、SNSを活用することで、まだ転職サイトに登録していない転職「潜在層」や、数年後に就職活動を始める大学の低学年層に対してもアプローチが可能です。
また、SNSのシェア機能によって、想定以上に情報が広く拡散されることもあるので、リーチできる人材の幅広さと多さが大きなメリットとなります。さらに、日常的に使われるSNSのため、企業側も気軽に情報を発信でき、各社の公式サイトとはまた違った視点で、リアルで身近な情報や魅力を伝えられるのもメリットです。
そして、無料でアカウントが作成でき、有料のプロモーションなどを利用する場合でも、予算に合わせて調整できるため、認知度を上げたいけれど予算が少ないという悩みを抱えている企業にとってはおすすめです。
SNS採用による効果
SNS採用のメリットと同時に、様々な効果も挙げられます。
主な効果としては下記のものがあります。
- 求人掲載による母集団形成
- 企業理解度の向上とブランディング
- 露出アップ認知度向上
- ダイレクトメッセージを活用したスカウト
- 候補者との連絡ツール
従来型の求人サイトや人材紹介などとは異なり、母集団の形成や、また採用広報など、SNSに特有の使い方を工夫することで、効果を大きく高めることが期待されます。また、期待できる効果が多様にあるからこそ、自社が訴求する効果についてしっかりと明確化し、適切な方法や媒体を活用することがポイントとなります。
そのためには、自社が抱える個別・具体的な採用課題や、SNSを通して伝えたいことは何かについて吟味し、自社に最適の運用方法や媒体を選定することが重要です。
SNSを活用していない企業の評価は?
普及が拡大するSNSですが、このSNSを活用していない企業は、候補者からどのように映っているのでしょうか。
この後詳しく解説するTikTokなど、主要なSNSのアカウントは、若い就職・転職希望者にとっては当該企業の信用証明でもあり、SNSアカウントを持たない企業は、実際に存在する企業かどうか怪しまれることもあるほど、今やSNSアカウントを持つことは、企業にとって必要不可欠なポイントとなっています。
候補者からみれば、応募したい企業がSNSアカウントを持っていないと判ったら応募自体ををやめてしまうなど、企業にとって、SNSのアカウントが無いことは致命的な状況です。
Tiktokの活用
主要なSNSプラットフォームとしては、TwitterやFacebook、InstagramやLINE、Youtubeなど、広く浸透しているものがありますが、この記事では特に、若い年齢層を中心に最も注目度が高くなっている「Tiktok」の活用について詳しく解説します。
TikTokを使って採用できる?
結論から言えば、Tiktokは最強のSNS採用プラットフォームといえます。
別の調査によれば、就活生の80%以上がTikToをきっかけとして企業に興味を持ち、さらにその60%が実際に応募したというデータが示すように、TikTokは今や、就活生に企業のPR活動やイメージなどを伝えていくための最も有効な手段となっています。
TikTokが注目される理由
TikTokは、現在全世界で10億人以上、日本でも1,500万人以上が利用している、今最も注目度の高いSNSであり、簡単な操作によって概ね15秒~最大1分までの長さで動画を作成し、投稿できるSNSです。
このTikTokが企業の採用に適している主な理由として、主に下記の2点が挙げられます。
- Z世代の台頭
- アクセスされたドメインがGoogleを超える
それぞれについて解説します。
Z世代の台頭
現在の10~20代の若者は「Z世代」と呼ばれ、デジタル化に抵抗のないデジタル・ネイティブであることが大きな特徴です。
彼らは、インターネットを中心とするITテクノロジーが広く一般に普及した後に生まれた世代なので、日常的にスマホやSNSに触れ、操作する機会が多く、家族や友人・知人、また他人とのコミニュケーションをSNS上で行うのに全く抵抗のない世代です。
TikTokはこのZ世代を中心に絶大な人気があり、これも同様の調査によれば、利用率も10代では57.7%と、今の大学1年生〜2年生の利用率が高い状況です。
このため、企業にとっては、今後就職活動を控えている学生をターゲットとした情報発信ができるのが大きな強みとなっています。
アクセスされたドメインがGoogleを超える
大手の大手インターネットインフラサービス会社が発表した、2021年のトラフィックランキングによれば、TikTokはGoogleをアクセス数で上回り、全体の1位となりました。
この事実から、圧倒的なアクセス数による情報の共有・拡散効果が高いことが裏付けられています。
企業がTikTokで採用活動を行うメリット
こうしたTiktokの特徴を活かし、企業がTikTokで採用活動を行うメリットについて解説します。
コストがかからない
企業が一般的なネットや紙媒体を利用して求人活動を行う場合、掲載料や上位表示表示させるための各種オプション費用など、多額の費用が必要となります。2020年のある民間調査によれば、新卒採用における一企業あたりの採用単価(平均)は93.6万円と、約100万円に迫っており、かなりのコストが掛かっています。
その理由として、少子化による人手不足や働き方改革などの影響で「売り手市場」になっていることが、企業の採用コストが上昇傾向にある原因として挙げられます。そして、今後も新卒採用単価はますます高くなると予想されており、基本的に無料で活用できるSNSによる採用活動は、企業の採用コスト削減効果も期待できるメリットがあります。
圧倒的な高さで認知力が得られる
ドイツの心理学者(ヘルマン・エビングハウス博士)の研究によれば、人間はテキスト情報の記憶力を20分で42%忘れ、その後は徐々にその比率が高まっていき、1時間後には56%、1日後には74%も忘れてしまうそうです。この状況から、テキストだけの情報の大部分が1日が経つとほとんど記憶に残らないこととなります。
ところが、テキスト情報だけでなく、音声や映像情報を組み合わせると、記憶定着率が20%~最大で75%まで上昇するとのことです。TikTokには、meme(ミーム)と呼ばれる「誰かが投稿した動画を模倣(もほう)した投稿が拡散される」特徴があり、この拡散効果によって高い認知力が期待されます。
情報を短く、高密度で伝達できる
また別の研究者の文献によれば、1分間の動画から得られる情報量は一般的なWEBページの約3600ページ分の情報に相当するとのことです。この点からも、TikTok動画によって、企業が伝えたい情報を、長い文章を読むのが億劫な求職者に対しても、短く、そして効果的に伝えることが可能となります。
また、映像で自社に関する情報発信を行うことで、社内のリアルでアットホームな雰囲気を伝えることが可能になり、求職者と求人企業双方のミスマッチを未然に防ぎ、自社の社風に合った人材を採用しやすくなります。さらに、Tiktokの活用によって、育成費用の損失回避や、早期退職のリスクまで抑えるメリットが期待されます。
TikTok活用による収益化の可能性も
2022年5月4日に、TikTokはクリエイターに収益を分配する新たな広告サービス「TikTok Pulse」をリリースしました。このサービスは今年の6月から米国で試験的に実装されていますが、主な内容は下記のとおりです。
- クリエイターに対して広告分配方式による50%の収益が支払われる
- 全動画の上位4%が対象
- フォロワー数最低10万人以上が目安
- 美容や料理、ゲームなど12のカテゴリーが対象
こうしたサービスが日本にも適用されれば、Tiktokでも将来的にYouTube同様、広告収入による収益化の可能性があります。できる可能性があります。
まとめ
企業が採用活動を行う際に、今や広く一般に普及したSNSを活用した活動(SNS採用)を推進することのメリットや特徴、また、その中でも最も影響力のあるSNSプラットフォーム「Tiktok」の積極活用について詳しく解説しました。
企業の採用担当者は、この記事を参考に、是非積極的にTiktokをはじめとするSNSを採用し、有益で効果的な人材採用につなげていただきたいものです。
ライター
早稲田大学政治経済学部経済学科卒業
大手通信会社、IT調査会社等を歴任
海外出張は世界40都市以上、海外駐在経験はヤンゴン(2回)、ホーチミン、そしてマレーシア(KL)です。
世界最大手の調査会社、IDCジャパンでテレコム関連調査分析記事主筆経験4年以上あり。
その後、各種文章作成など多数経験し、現在、英文翻訳とライティングの仕事を幅広く手掛けています。
【主な執筆実績】
・主にITモバイル系の英文和訳を基本とした翻訳業務
・転職サイトに特化したコラム執筆
・各種サイトなどの文章編集・リライト業務
・時事ネタ等を中心としたブログ執筆業務
・YouTube動画からのシナリオ、ライティング起こし執筆
・ホーチミン、クアラルンプールに関する時事・歳時記執筆
・クアラルンプール生活全般におけるアドバイザー
・テレワーク下の環境改善提案に関する啓発記事
・補助金に特化したコラム執筆