転職回数の多さは転職活動に影響する?効果的な転職活動も合わせて紹介!
転職回数が多くなってくると、採用選考に不利にならないかを心配する方も多いでしょう。
しかし、転職回数の多さは採用結果に必ずしも悪い影響を与えるとは限りません。さまざまな職場で得られた経験の豊富さやスキル、現状維持に甘んじないチャレンジ精神をアピールすることで高く評価される場合もあります。
ここでは、転職回数が多い方を対象に、転職回数が採用に与える影響や転職活動のポイントを解説します。
転職回数が多いと転職しづらくなる?
転職回数が多いと「自社で長く働いてもらえないのでは」という不安を与え、採用が不利になるという話をよく聞きます。
一方、転職回数は気にせずスキルや経験を重視する会社も多くあります。
ここでは、転職回数の多さが不利になりやすい状況や理由を説明します。
業界によって差がある
転職回数が転職活動へ与える影響の大きさは、業界や業種によっても異なります。歴史ある大企業や金融系など信用が重要視される企業は、転職回数の多さがマイナス評価につながる場合が多いです。
一方、外資系やベンチャー企業・営業職・専門職などは、スキル・実績を重視することが多く転職回数に寛容な傾向があります。
転職回数が敬遠される理由
日本では終身雇用を推奨する企業が多く、中途採用においても「長く働いてもらいたい」と考える傾向があります。転職回数が多い場合に「自社で働いてもすぐ辞めてしまうのでは」と不安に感じる採用担当者が多いのも事実です。
また、転職回数が多い理由についてストレス耐性の低さ・忍耐力のなさなど、性格の問題として疑われてしまうため注意が必要です。
転職者の年代によって転職回数への評価は変わる
採用担当者がマイナス評価をつける転職回数は、転職者の年代によっても変化します。
一般的に3年以上を目安として勤続経験を判断し、忍耐力のなさや経験の浅さを不安に思う企業が多いです。
たとえば、20代では転職回数が勤続年数の短さに直結するため、他の年代より転職回数がマイナスイメージを持たれやすいと言えるでしょう。若い年代から勤続年数が短いと忍耐力がない・ストレスに弱いなど、転職者自身の性格を疑われやすく注意が必要です。
一方、40代になると転職回数よりも経験値やスキルレベルが重視されます。転職をすることで仕事の幅を広げながら経験を積む方が多いため、この年代であれば転職経験による経験値はプラス評価と考える採用担当者も多いです。これまでのキャリアで得た経験とスキルを明確にアピールすることで、転職活動を有利に進められる可能性が高まります。
マイナス評価につながりやすい転職理由
転職回数が多くなるごとに、転職理由の説明に工夫が必要になります。
転職理由の伝え方によっては面接官に不信感を与えてしまうので注意が必要です。ありのままを伝えるのではなく、ポジティブに言い換えることが重要です。
ここでは、マイナス評価につながりやすい転職理由や伝え方の注意点を説明します。
業界や業種に一貫性がない
過去に経験した業界や業種がバラバラだと、就職を希望する企業への志望動機がわかりづらく、転職理由に説得力を持たせるのが難しくなります。志望動機は選考に大きく影響しますので、面接時に明確に答えられるよう準備が必要です。まずは自分のキャリアを振り返り、その業界や業種に挑戦した理由をはじめ、経験やスキルを整理してみましょう。その中で共通点を見つければ、異業種でも一貫性を持たせることは可能です。
人間関係の問題で転職した
人間関係のトラブルで転職した場合も、ありのままをストレートに話すのはおすすめしません。
たとえば上司のパワハラが原因で転職した場合も、上司について悪く話すことはネガティブな印象につながります。どんな理由でも退職理由はポジティブな印象を与えるように答えるのが無難です。
嘘の理由は厳禁ですが、スキルの向上やキャリアアップのためなどポジティブな理由を答えましょう。パワハラが理由であっても、その職場で実際に身につけたスキルや経験をアピールすることでポジティブなイメージを与えることができます。
嘘の理由を話す
転職の回数をごまかすために意図的に嘘をつくのは厳禁です。深堀して話していく中で矛盾が生まれ、不信感を持たれる要因になります。
また、応募書類に嘘を書くのも民法上の不法行為に該当します。発覚した場合、解雇される可能性もあるので注意しましょう。
転職回数に含まれないもの
面接時に転職の回数を問われることがあります。派遣やアルバイトの経験が転職回数に加算されるかなど、計算方法がわからなくなることもあるでしょう。
ここでは転職回数の数え方についてご紹介します。
派遣先の変更回数
派遣社員は同じ派遣会社に所属しながら、派遣先が変わることも珍しくありません。派遣先ごとに転職回数を数えるべきか悩む方もいるでしょう。1つの派遣会社に所属している間は何度も派遣先が変わったとしても、転職回数のカウントは1回です。履歴書の職歴に記入する場合も、基本的には派遣会社の名称のみ記入します。
アルバイト先の転職回数
一般的にアルバイトは職歴に含めなくても良いとされ、転職回数としての加算は不要とされています。しかし、発注や新人育成を担当していたなど、経験をアピールできる場合は職歴に含めてもかまいません。アルバイトであっても、魅力のある職務経験はアピールしましょう。
現在の転職活動
現在の転職活動は転職回数に加算しません。また、初めて就職した時の就職活動もカウントしないので注意が必要です。基本的には「在籍社数-1」で計算します。たとえば現在所属している会社が4社目の場合、転職回数は3回です。
転職回数が多い場合の転職活動のポイント
転職が多いと履歴書に書く職歴が多くなったり、面接で転職回数や転職理由を聞かれたり、通常の転職活動よりも気をつけるポイントが多くなります。
ここでは、転職回数が多い場合の職務経歴書の書き方や転職理由の伝え方など、転職活動のポイントを説明します。
職務経歴書の書き方
転職回数が多くても、職務経歴書の書き方を工夫することで印象を良くすることが可能です。
職務経歴書の書き方は「編年体式」と「キャリア式」があります。転職回数の多い方には、職歴を時間ではなく業務内容やスキルといった項目でまとめるキャリア式がおすすめです。
また、応募先の企業の業務内容に合わせて、自分のスキル・経験を強調するアレンジを加えることで、採用担当者にむけて効果的にアピールできます。
面接での説明方法
面接や職務経歴書でスキルや経験をアピールする時のポイントは、実績を数値化することです。
採用担当者は、抽象的な表現より客観的で具体的な数字に説得力を感じます。たとえば「月に20件の契約を取っていた」「業績を120%向上させた」など、実績を具体的な数値で示すことで信頼性の高いアピールポイントになります。また「1日平均100件のテレアポ営業」など、数字は成果だけでなくプロセスに盛り込むことも可能です。採用活動を効果的に進めるため、数字を活用していきましょう。
転職をポジティブに説明する
前職に対しての批判や不満を伝えることは、応募者自身の印象を悪くしてしまう行為です。転職理由をポジティブな表現に言い換えていく必要があります。前職での問題点を今後の働き方への意欲につなげ、前向きに説明しましょう。
たとえば転職理由が「昇給のチャンスがなくやりがいを感じられない」だった場合、「もっと成長を実感できる実力主義の環境で働きたい」とポジティブに言い換えて表現すると良いでしょう。
印象が悪くならない転職理由
前出のマイナスな印象になりやすい転職理由を避けることは大切ですが、ここでは印象が悪くならない転職理由のポイントを2つご紹介します。
仕事への思いが一貫している
異業種であっても、転職理由に共通点を見つけ一貫性を持たせることで説得力が生まれます。
たとえば、今まで介護職だった方が医療器具販売を行う会社への転職を希望する場合、「介護現場の経験を生かして、必要な人に医療器具を届けたい」と伝えることで、一貫した仕事への思いをアピールできます。
やむを得ない理由
転職理由が育児・病気・介護といった家族の世話による場合は、隠さずストレートに伝えましょう。
誰にでも起こりうる理由なため、悪い印象を持たれることは少ないです。その上で頑張りたいという意欲をしっかり伝えることが重要です。また、状況が改善した・改善する予定があれば必ず伝えましょう。
まとめ
転職の回数は必ずしも転職に影響するとは限りません。
自社で長く働いてほしいと考える企業でも、転職回数の多さより勤続年数に注目している場合もあります。
また、職歴が長くなるとともに経験やスキルのある方が採用されやすい傾向があります。むしろ、転職回数が多いからこその経験値やチャレンジ精神などを高く評価されるケースも少なくありません。
転職回数ばかりにとらわれず、転職したからこそ得ることができた経験やスキルに注目し、ポジティブな姿勢で転職活動を成功させましょう。