コラム
アルバイトの採用面接から就職・転職まで、履歴書を書く機会は多いのではないでしょうか。 今回はあらためて、履歴書の常識と非常識、押さえておきたいNG&Goodポイントを確認していきましょう。  

履歴書の基本的な書き方

履歴書のフォーマットはJIS企画で決まっていますが、独自フォーマットを指定する企業もあります。まずは、応募先企業から履歴書の形式について特別な指示がないかを確認しましょう。

様式・用紙

履歴書の様式は「JIS規格履歴書」が標準ですが、独自の工夫のある類似形式のフォーマットも市販されていたり、Web上からダウンロードできたりします。応募先企業から、JIS規格履歴書と指示されている場合は従いましょう。また用紙サイズはB5版とA4版がありますが、企業の書類はA4サイズに統一されていることが一般的なので、A4版の使用がおすすめです。

手書きかパソコンか

手書きにするか、パソコンで作成するかは指定がない限りどちらでもかまいません。 パソコンでの作成はPCスキルのアピールになる、訂正が容易、複数社に応募する場合に情報の使いまわしが可能などのメリットがあります。手書きの場合は、黒のボールペンか万年筆で丁寧に書き、誤った場合は修正テープや訂正印などは使わず最初から書き直します。消えるボールペンは使ってはいけません。

形式の統一

文章は「です・ます」体で統一します。年号は和暦か西暦、数字は算用数字か漢数字、どちらかで統一します。また、履歴書と職務経歴書では形式を合わせます。

適切な写真

履歴書の写真には「本人単身、胸から上」「サイズ:縦36~40mm、横24~30mmなど」というような注意事項がありますので、規定に合う写真を用意しましょう。面接時と同じようなスーツ着用の清潔感のある服装で、3か月以内に撮影した写真であることが重要です。裏面に氏名と生年月日を書いておくと、応募先で万が一写真が剥がれ落ちた場合に助かります。

空欄がないこと

空欄がないことも重要です。特に書くことがないので空欄にしたのか、記入漏れなのか、見る側には区別が付きません。例えば、通勤時間が1時間未満の場合は「0時間30分」と記入したり、本人希望欄に「貴社規定に従います」と記したりすることで記入漏れではないことがわかります。

志望動機や自己PR

志望動機や自己PRは比較的大きな欄が用意されていますが、簡潔にまとめることに注意しながら8割は埋めましょう。自分と応募先企業の接点を説明できると強みになります。まずは、自分の「できること」と「応募要項」をよく見比べましょう。自分の希望を一方的に述べるのではなく、自分のスキルやキャリアを活かして、応募先の事業にどのように貢献できるのかを明確に述べることが大切です。  

ありがちなミス

誤字や文字化け

誤字脱字の類は基本的なミスですが、自分で自分のミスに気づくのは難しいため、できれば他の人にチェックにしてもらうとよいでしょう。また、履歴書を電子データでメールに添付して送る場合は、旧字体や機種依存文字、オフィスソフトのバージョン違いなど様々な理由で文字化けする可能性があるので、PDF化して送るのがおすすめです。

保存忘れ

せっかく丁寧に作成しても、保存ができていなくて、不意のPCのトラブルで努力の成果が失われる場合があります。作成中は小まめに保存し、保存場所もPC・クラウドストレージ・外部メディアなど複数箇所に分散しておくと、不意のトラブルでデータが失われても安心です。

選択間違い

近年よくあるWeb上で履歴書を作成できるサービスでは、経歴に関する部分、特に生年月日や学歴、雇用形態など選択式になっているものが珍しくありません。経歴は間違えると経歴詐称となり、選考中や入社後に大きな問題になります。間違いのないよう慎重に選択しましょう。

自由記述欄の空白

自由記述欄の空白は印象が悪く、記入漏れを疑われかねません。応募者の人となりを知るための項目ですので、8割程度は記入しましょう。本人希望欄に関しても「貴社規定に従います」のような決まり文句で良いので必ず記入します。

志望動機の更新忘れ

PCで履歴書を作る場合に起こりやすいのが、志望動機の更新忘れです。志望動機は応募先企業ごとにアピールする内容を変えて提出することが重要ですが、一度使用した履歴書を再利用する場合に志望動機を書きかえるのを忘れてしまうことがあります。志望動機がチグハグな印象の履歴書となり、失敗する原因となりますので注意しましょう。  

よくあるNGパターン

ミス以外にも、伝えたいことが伝わらなかったり、履歴書の内容がマイナスに受け取られたりするというNGパターンもあります。

アピールしたいことが伝わらない

受賞歴を書く場合、アピールしたい受賞の内容や価値が具体的に伝わらないというケースがあります。アピールが伝わらないだけでなく、人に伝える配慮が足りない点をマイナスイメージとして受け取られかねません。受賞の理由となった業績や賞を競った人数などを、定量的に記載するとわかりやすくなるでしょう。

【NG例】

【受賞歴】
  • 2012年 4月 新人賞受賞
  • 2013年 9月 クオータリー賞受賞
以上の表記では、どの様な実績に対しての受賞か、賞の規模がどれくらいかが分かりません。

【OK例】

【受賞歴】
  • 2012年 4月 新人賞受賞 ※月間で最も活躍した新入社員に贈られる賞です。 同期20人中で最も高い営業成績を評価されました。(契約額:1023万円、同期平均:775万円)
  • 2013年 9月 クオータリー賞受賞 ※4半期に1度、全社員(500名)の中で最も活躍した社員を部単位で推薦・選考で贈られる賞です。 (当期の部の目標契約額2010万円に対し、獲得契約額2814万円、達成率:140%)
受賞対象や評価期間を明記し、評価された内容を具体的な数値で示すことでわかりやすくなりました。

資格の書き漏れまたは誤記

資格も重要なアピールポイントになります。普通自動車第一種免許はアピールにならないと思い書かない人もいるようですが、必ず書いたほうが良いでしょう。営業職などでは普通自動車第一種免許を持っているかが必須となり、履歴書の資格欄でチェックされる場合もあります。資格は書き漏らしたり、略称や通称で書いたりしないように充分注意しましょう。 以下にあげた例のように、比較的有名で略称でも通じるような資格や免許でも、略称や通称で書くのはNGです。正式名称で記入しましょう。

【NG例】

  • AAT自動車免許
  • 簿記2級
  • 英検2級
  • FP2級

【OK例】

  • 普通自動車第一種免許(AT限定)
  • 日商簿記検定2級
  • 実用英語技能検定2級
  • ファイナンシャル・プランニング技能士2級

経験企業の法人格を書いていない

経験企業の法人格を書いていなかったり、誤っていたりというのも表記ミスと受けとられてしまいます。業界内で同名の会社があるが規模が大きく違う場合もあり注意が必要です。経歴が正しく伝わらないと、イメージダウンやトラブルの原因にもなりかねません。

【NG例】

  • ABC
  • (株)ABC
  • (財)DEF協

【OK例】

  • ABC株式会社
  • 株式会社ABC
  • 財団法人DEF協議会
法人格の漏れもですが、前株、後株の間違いや、(株)のような省略表記もNGです。略さずに「株式会社」と法人格を正しく書きます。

志望動機と自己PR

志望動機や自己PRも注意を要するところです。企業が知りたいのは、応募者が自社で働いた時の意欲や貢献度です。また、競合他社の中でなぜ自社を選んだのかという、志望の本気度合いを知りたいという思いもあります。

【NG例】

残業ばかりで自分の時間が作れないので、残業が少ない環境で働きたいという理由です。
貴社の製品はとても魅力的で、使いやすく、生活に無くてはならないものだと思います。 そんな製品を作る貴社で、営業経験を活かして働きたく志望しました。
待遇や希望は重要なことではありますが、企業側が聞きたい事ではありません。また、志望動機も曖昧で、応募先ならではの特色を理解していないと見なされるでしょう。

【OK例】

貴社の製品○○は競合の○○と比較した際に、○○という点で革新的です。 そうした革新性は、貴社のミッションステートメントの体現と感じられ、感銘を受けました。 貴社の業務の○○という分野で、前職で培ってきた○○というスキルを役立てて働きたいと思い志望しました。
以上のように添削することで「貴社の製品は魅力的」に具体性をもたせ、「なぜこの会社を選んだのか」という理由に結びつけています。また、自分のスキルを活かして応募先企業で何ができ、何がしたいのかが述べられています。

まとまりがなく分かりにくい

短い文章であっても、構成をよく考えて、まとまりのある文章を書きましょう。思いつくままダラダラ書いたような文章は、多くの履歴書を読まなければならない採用担当者にとってはマイナスポイントの材料にしかなりません。  

提出後にミスが発覚した場合の対処

提出後にミスに気付いてしまった場合は、どう対処すればよいでしょうか。

基本的に再送はしない

1~2ヶ所の誤字程度であれば再送は控えましょう。また、無断で再送するのは、担当者が混乱するだけでなく、差し替えなどの手間も発生します。連絡先の間違えなど、選考に支障を来すような誤りであった場合は訂正を申し出ましょう。

提出後の場合は採用担当に連絡を

基本は採用担当に連絡をとって、訂正したい内容を伝え、指示に従います。連絡方法はメールでも電話でも構いません。

面接時に伝える

面接当日など、訂正する時間がないタイミングで気付いた場合は、面接官に口頭で伝えます。誤りの内容と程度にもよりますが、面接があらぬ方向に進まないよう、早めに訂正内容を伝えます。

ミスと選考への影響

履歴書の誤字が1~2ヶ所あった程度で、不採用に直接つながることはほとんどありません。しかし、悪い印象を与える可能性は多分にあるので、ミスの無いものを提出するのが大前提と考えましょう。  

まとめ

求職者と企業の最初の接点が履歴書です。応募者の印象に大きく影響し、履歴書だけで不採用が決まる場合もあります。ミスやつまずきのもとになる要因は思いのほか多く、意外に大きな労力と時間がかかります。転職活動では職務経歴書の方が重要ともいいますが、履歴書は応募先企業と関係を作るファーストステップです。慎重に取り組み、就職活動を成功させましょう。就職活動を有利に進めるために、資格取得を検討する人は多くいます。 資格によって就職活動を有利にするには、応募する業界・業種で役立つ資格を予め選んで取得することが重要です。 この記事では、就職に役立つ資格をいくつかピックアップしてご紹介します。履歴書に資格を書く際のポイントも解説しているので、就職活動に向けて資格の取得を検討している方は、当記事を参考にしていただければ幸いです。  

就職活動に資格は必要?

資格がないと就職活動が厳しくなるというわけではありませんが、資格を取得しておくことで就職を有利に運ぶことがあります。 もちろん、就職活動では自己PRや志望動機、面接での受け答えなども評価対象になりますが、面接などの僅かな時間である程度の知見を示す材料になり得るのです。 ここでは、就職活動を行うために資格は必要なのか、資格を取得している場合どのように役立つのかを解説していきます。  

多くの資格は必須ではない

会社や業種によっては、特定の資格を持っていることが応募条件となる場合がありますが、基本的には資格の有無にかかわらず求人に応募できます。なお、資格不問で求人を打ち出している会社では、資格の有無によって採用選考に影響が生じることは基本的にありません。入社後に資格取得が必要になる会社もありますが、応募する時点で資格を持っているかどうかは問われないことが一般的です。 また、新卒採用の場合は応募者の学歴、将来性などが重視されやすく、資格の有無は重視されないことが普通です。そのため、新卒求人に応募する場合は、資格取得よりも企業研究や自己分析などにリソースを割いたほうが、採用担当者から高く評価されやすいと考えられます。  

取得過程も含めてアピールポイントになる

就職活動を理由に資格取得を検討する際は、応募先の業種に特化した資格の取得をおすすめします。例えば、企業の経理部門や会計事務所などに応募する場合、日商簿記検定2級を取得しておくと、業界に対する興味・関心の高さをアピールできます。 また、就職面接のときには取得を検討した動機、資格の勉強を通して苦労したところなどを面接官にアピールすると、その業種に対する熱意をより具体的に伝えられるでしょう。入社後に知識や技術を活かせるよう、応募先の業種に特化した資格を選んで受験することが重要です。  

就職に役立つ主な資格

資格取得を検討する段階では、志望業界との関連性、受験資格やスケジュールなどを考慮して資格を選ぶことがポイントになります。仮に志望業界が決まっていない場合は、汎用性が高い資格取得を目指すというのも選択肢のひとつです。ここでは、各業界の就職活動に役立つ資格をピックアップしてご紹介します。  

普通自動車運転免許

営業職や介護職など、普通自動車運転免許が必要となる仕事は複数存在します。会社によっては応募条件になっているところもあり、持っていることで応募できる業種の幅が広がる資格のひとつです。履歴書に資格情報を記載するときには、「普通自動車運転免許」もしくは「普通自動車第一種運転免許」とするのが適切な表記方法になります。 なお、会社によっては自動車免許の種類が指定されているので注意が必要です。例えば、応募条件に「要普免(AT限定不可)」と記載されている会社に応募するには、マニュアル車(MT)の普通自動車運転免許を取得する必要があります。  

MOS

MOSは「マイクロソフトオフィススペシャリスト」の略で、事務職や営業職といったパソコンを用いる仕事で役立つ資格です。使用するソフトウェアの種類によって資格が分かれており、特に「Word」「Excel」の2種類は多数の業界で役立つ資格になっています。 MOSの資格試験を受験するには、全国一斉試験か随時試験のいずれかに申し込む方法があります。全国一斉試験は毎月1~2回開催されており、MOS公式ホームページから試験申し込みの手続きができます。随時試験は全国約1,700か所の会場で開催されており、任意の試験会場に直接申し込むことで受験が可能です。試験の点数や合否は、試験終了当日に分かるようになっており、合格者には受験から4週間~6週間後に合格認定証が送付されます。  

TOEIC

TOEICは英語力を測る検定試験で、求人募集では一定以上の点数を獲得していることが応募条件になっている場合があります。TOEICには複数種類がありますが、求人募集では「TOEIC Listening & Reading TEST」の点数が基準になっていることが一般的です。 応募書類にTOEICの点数を記載する場合、目安として600点以上がプラス要素としてアピールできるスコアです。外資系企業、海外拠点がある企業などは730点以上を目安としているところもあるので、応募先によって目標スコアを決めて受験すると良いでしょう。 ちなみに、TOEICの試験日程は公式ホームページ上で公開されており、試験申し込みを行うにはTOEIC申込サイトへの無料会員登録が必要です。TOEICスコアが記載された認定証は、受験から30日以内に発送されるようになっています。  

日商簿記検定

日商簿記検定は簿記に関する技能を測る検定試験で、3級・2級・1級と区分されています。履歴書に記入する場合、2級もしくは1級を取得しているとプラス要素としてアピールできます。経理、事務などの仕事で用いる機会が多く、新卒、中途を問わず役立つ資格のひとつです。 日商簿記検定の試験は年2回から3回の頻度で開催されており、等級、試験の開催場所によって試験の開催頻度が異なります。合格発表は各都道府県の商工会議所で公開されるようになっており、合格発表の約3週間後を目安に合格証書が発行されます。合格発表の具体的な時期に関しては、受験先の商工会議所まで直接お問い合わせください。  

基本情報技術者・応用情報技術者

基本情報技術者試験は、IT業界で働くための基本的な知識と技能、実践的な活用能力を測る国家試験です。また、応用情報技術者試験は高度IT人材になるための応用的な知識と技能を測る国家試験で、基本情報技術者試験の1段階上にあたる資格です。 いずれもIT業界で役立つ資格であり、プログラマー、システムエンジニアなどの仕事に就くことを目指している場合に持っていると有利です。 なお、試験は毎年4月と10月に実施されており、合格発表は試験日から約4週間~5週間後です。合格者には合格発表から約2週間後に合格証書が発送されます。  

ITパスポート

ITパスポートは、IT技術を利活用するすべての社会人が備えておくべき基礎知識を測る国家試験です。業種を問わず活用する知識が身に付く試験として、大学や高校の授業、社員教育などでITパスポートを活用するところが増えています。 この試験はCBT(Computer Based Testing)方式による受験が実施されており、試験の申し込みをいつでも行えることが特徴です。そのうえ、受験終了時に試験結果が確認できるようになっており、合格者には受験当日から約2か月後に合格証書が送付されます。  

社会福祉士

社会福祉士国家試験は、社会福祉士として必要な知識と技能を測る試験です。国家試験に合格すると、厚生労働大臣による登録を受けた社会福祉士としての資格が取得できます。 なお、社会福祉士国家試験には受験資格があり、取得ルートは12種類あります。大学や短大など、学歴や履修した科目などによって受験資格が得られるタイミングは異なるので、詳細に関しては公益財団法人社会福祉振興・試験センターのホームページをご確認ください。  

介護福祉士

介護福祉士国家試験は、介護福祉士として必要な知識や技能を測る試験です。国家試験に合格することで介護福祉士の資格を取得できます。受験するには所定の受験資格に該当している必要があるので、詳細に関しては公益財団法人社会福祉振興・試験センターのホームページをご確認ください。 ちなみに、2026年8月までの経過措置として、指定養成施設を卒業することで暫定的に介護福祉士の資格が付与されるというシステムがあります。卒業後5年以内に国家試験合格、もしくは卒業後5年間継続して実務経験を積むことで、正式に介護福祉士の資格を保持できます。  

宅地建物取引士

宅地建物取引士(宅建)は、不動産関係の権利や税などに関する実用的な知識を測る国家試験です。不動産業界で大きく役立つ資格であり、有資格者は不動産の売買・賃借代理など、宅建業を運営する会社からの求人需要が見込めます。不動産業界での就職を考えている場合、宅地建物取引士は持っていると有利になる資格のひとつです。 宅地建物取引士の試験は毎年10月の第3日曜日に実施されており、合格発表は原則として11月下旬に実施されます。  

ファイナンシャルプランナー

ファイナンシャルプランナー(FP)は金融や保険関係の仕事に必要な法律の知識、コンプライアンスなどを測る技能検定試験です。日本FP協会と金融事情財政研究会の2団体が試験を個別に主催しており、実技試験の内容がそれぞれ異なっています。なお、主催者にかかわらず、合格時に取得できる資格は同一です。 ファイナンシャルプランナーの資格は1級から3級までありますが、履歴書に記入する場合は1級または2級を取得していると、就職活動でアピールしやすくなります。2級と3級の試験日程は2団体とも共通しており、試験日程、合格発表日時は各団体のホームページで公開されています。  

資格を履歴書に書く際のポイント

資格を履歴書に書く際、資格勉強に時間を割いたことが強みとして伝わるよう、書き方を工夫することがポイントです。 ここでは、資格を履歴書に書くときの基準、注意点についてご紹介します。  

勉強中でも記載できる

応募先の業務内容に関連する資格である場合、資格勉強を進めている段階であっても履歴書に記載が可能です。資格の勉強中であることを履歴書に書くときは、「○○試験 合格に向けて勉強中」といったように記載して問題ありません。資格勉強を進めている事実を記すことで、応募先の業種に対する知識・関心などが高いことを採用担当者にアピールしやすくなります。  

一定以上のレベルの資格を記載する

複数の資格を持っている方は就職活動の際、資格を履歴書に記載することで知識や技能を応募先にアピールしやすくなります。 ただし、応募資格として必要な資格でない場合や、等級・スコアが低い、取得難易度が低いなどの資格は、履歴書に記載してもアピールポイントにならないことも多いです。ひとつの目安として、TOEICの場合は600点以上、日商簿記検定であれば2級以上が就職活動でプラス評価になりやすい資格となっています。  

有効期限を確認する

有効期限が設定されている資格は、更新せずに有効期限が切れると履歴書に記載できなくなります。例えば、普通自動車運転免許は3年から5年、宅地建物取引士は5年が有効期限です。 有効期限が定められていない資格であれば、取得時期にかかわらず履歴書に記載して問題ありません。しかし、資格取得時期が古い場合は知識・技能が維持されているかを面接で問われる可能性もあるため、注意が必要です。応募先の業種との関連性が薄い資格である場合、取得時期が古いものは特筆して記載しなくても問題ないかと思われます。  

まとめ

就職活動で資格をアピールポイントにする際には、応募先の業種に関連した資格を取得しておくことが重要になります。資格不問で応募できる求人に関しても、特定の資格を持っていると業界に対する知識・関心をアピールできる場合があります。また、志望業界が定まっていない場合でも、さまざまな業界で通用しやすい資格の取得を目指すことも選択肢のひとつです。就職活動に役立つ資格を取得して、志望企業への合格を目指していきましょう。転職回数が多くなってくると、採用選考に不利にならないかを心配する方も多いでしょう。 しかし、転職回数の多さは採用結果に必ずしも悪い影響を与えるとは限りません。さまざまな職場で得られた経験の豊富さやスキル、現状維持に甘んじないチャレンジ精神をアピールすることで高く評価される場合もあります。 ここでは、転職回数が多い方を対象に、転職回数が採用に与える影響や転職活動のポイントを解説します。  

転職回数が多いと転職しづらくなる?

転職回数が多いと「自社で長く働いてもらえないのでは」という不安を与え、採用が不利になるという話をよく聞きます。 一方、転職回数は気にせずスキルや経験を重視する会社も多くあります。 ここでは、転職回数の多さが不利になりやすい状況や理由を説明します。  

業界によって差がある

転職回数が転職活動へ与える影響の大きさは、業界や業種によっても異なります。歴史ある大企業や金融系など信用が重要視される企業は、転職回数の多さがマイナス評価につながる場合が多いです。 一方、外資系やベンチャー企業・営業職・専門職などは、スキル・実績を重視することが多く転職回数に寛容な傾向があります。  

転職回数が敬遠される理由

日本では終身雇用を推奨する企業が多く、中途採用においても「長く働いてもらいたい」と考える傾向があります。転職回数が多い場合に「自社で働いてもすぐ辞めてしまうのでは」と不安に感じる採用担当者が多いのも事実です。 また、転職回数が多い理由についてストレス耐性の低さ・忍耐力のなさなど、性格の問題として疑われてしまうため注意が必要です。  

転職者の年代によって転職回数への評価は変わる

採用担当者がマイナス評価をつける転職回数は、転職者の年代によっても変化します。 一般的に3年以上を目安として勤続経験を判断し、忍耐力のなさや経験の浅さを不安に思う企業が多いです。 たとえば、20代では転職回数が勤続年数の短さに直結するため、他の年代より転職回数がマイナスイメージを持たれやすいと言えるでしょう。若い年代から勤続年数が短いと忍耐力がない・ストレスに弱いなど、転職者自身の性格を疑われやすく注意が必要です。 一方、40代になると転職回数よりも経験値やスキルレベルが重視されます。転職をすることで仕事の幅を広げながら経験を積む方が多いため、この年代であれば転職経験による経験値はプラス評価と考える採用担当者も多いです。これまでのキャリアで得た経験とスキルを明確にアピールすることで、転職活動を有利に進められる可能性が高まります。  

マイナス評価につながりやすい転職理由

転職回数が多くなるごとに、転職理由の説明に工夫が必要になります。 転職理由の伝え方によっては面接官に不信感を与えてしまうので注意が必要です。ありのままを伝えるのではなく、ポジティブに言い換えることが重要です。 ここでは、マイナス評価につながりやすい転職理由や伝え方の注意点を説明します。  

業界や業種に一貫性がない

過去に経験した業界や業種がバラバラだと、就職を希望する企業への志望動機がわかりづらく、転職理由に説得力を持たせるのが難しくなります。志望動機は選考に大きく影響しますので、面接時に明確に答えられるよう準備が必要です。まずは自分のキャリアを振り返り、その業界や業種に挑戦した理由をはじめ、経験やスキルを整理してみましょう。その中で共通点を見つければ、異業種でも一貫性を持たせることは可能です。  

人間関係の問題で転職した

人間関係のトラブルで転職した場合も、ありのままをストレートに話すのはおすすめしません。 たとえば上司のパワハラが原因で転職した場合も、上司について悪く話すことはネガティブな印象につながります。どんな理由でも退職理由はポジティブな印象を与えるように答えるのが無難です。 嘘の理由は厳禁ですが、スキルの向上やキャリアアップのためなどポジティブな理由を答えましょう。パワハラが理由であっても、その職場で実際に身につけたスキルや経験をアピールすることでポジティブなイメージを与えることができます。  

嘘の理由を話す

転職の回数をごまかすために意図的に嘘をつくのは厳禁です。深堀して話していく中で矛盾が生まれ、不信感を持たれる要因になります。 また、応募書類に嘘を書くのも民法上の不法行為に該当します。発覚した場合、解雇される可能性もあるので注意しましょう。  

転職回数に含まれないもの

面接時に転職の回数を問われることがあります。派遣やアルバイトの経験が転職回数に加算されるかなど、計算方法がわからなくなることもあるでしょう。 ここでは転職回数の数え方についてご紹介します。

派遣先の変更回数

派遣社員は同じ派遣会社に所属しながら、派遣先が変わることも珍しくありません。派遣先ごとに転職回数を数えるべきか悩む方もいるでしょう。1つの派遣会社に所属している間は何度も派遣先が変わったとしても、転職回数のカウントは1回です。履歴書の職歴に記入する場合も、基本的には派遣会社の名称のみ記入します。  

アルバイト先の転職回数

一般的にアルバイトは職歴に含めなくても良いとされ、転職回数としての加算は不要とされています。しかし、発注や新人育成を担当していたなど、経験をアピールできる場合は職歴に含めてもかまいません。アルバイトであっても、魅力のある職務経験はアピールしましょう。  

現在の転職活動

現在の転職活動は転職回数に加算しません。また、初めて就職した時の就職活動もカウントしないので注意が必要です。基本的には「在籍社数-1」で計算します。たとえば現在所属している会社が4社目の場合、転職回数は3回です。  

転職回数が多い場合の転職活動のポイント

転職が多いと履歴書に書く職歴が多くなったり、面接で転職回数や転職理由を聞かれたり、通常の転職活動よりも気をつけるポイントが多くなります。 ここでは、転職回数が多い場合の職務経歴書の書き方や転職理由の伝え方など、転職活動のポイントを説明します。  

職務経歴書の書き方

転職回数が多くても、職務経歴書の書き方を工夫することで印象を良くすることが可能です。 職務経歴書の書き方は「編年体式」と「キャリア式」があります。転職回数の多い方には、職歴を時間ではなく業務内容やスキルといった項目でまとめるキャリア式がおすすめです。 また、応募先の企業の業務内容に合わせて、自分のスキル・経験を強調するアレンジを加えることで、採用担当者にむけて効果的にアピールできます。  

面接での説明方法

面接や職務経歴書でスキルや経験をアピールする時のポイントは、実績を数値化することです。 採用担当者は、抽象的な表現より客観的で具体的な数字に説得力を感じます。たとえば「月に20件の契約を取っていた」「業績を120%向上させた」など、実績を具体的な数値で示すことで信頼性の高いアピールポイントになります。また「1日平均100件のテレアポ営業」など、数字は成果だけでなくプロセスに盛り込むことも可能です。採用活動を効果的に進めるため、数字を活用していきましょう。  

転職をポジティブに説明する

前職に対しての批判や不満を伝えることは、応募者自身の印象を悪くしてしまう行為です。転職理由をポジティブな表現に言い換えていく必要があります。前職での問題点を今後の働き方への意欲につなげ、前向きに説明しましょう。 たとえば転職理由が「昇給のチャンスがなくやりがいを感じられない」だった場合、「もっと成長を実感できる実力主義の環境で働きたい」とポジティブに言い換えて表現すると良いでしょう。  

印象が悪くならない転職理由

前出のマイナスな印象になりやすい転職理由を避けることは大切ですが、ここでは印象が悪くならない転職理由のポイントを2つご紹介します。  

仕事への思いが一貫している

異業種であっても、転職理由に共通点を見つけ一貫性を持たせることで説得力が生まれます。 たとえば、今まで介護職だった方が医療器具販売を行う会社への転職を希望する場合、「介護現場の経験を生かして、必要な人に医療器具を届けたい」と伝えることで、一貫した仕事への思いをアピールできます。  

やむを得ない理由

転職理由が育児・病気・介護といった家族の世話による場合は、隠さずストレートに伝えましょう。 誰にでも起こりうる理由なため、悪い印象を持たれることは少ないです。その上で頑張りたいという意欲をしっかり伝えることが重要です。また、状況が改善した・改善する予定があれば必ず伝えましょう。  

まとめ

転職の回数は必ずしも転職に影響するとは限りません。 自社で長く働いてほしいと考える企業でも、転職回数の多さより勤続年数に注目している場合もあります。 また、職歴が長くなるとともに経験やスキルのある方が採用されやすい傾向があります。むしろ、転職回数が多いからこその経験値やチャレンジ精神などを高く評価されるケースも少なくありません。 転職回数ばかりにとらわれず、転職したからこそ得ることができた経験やスキルに注目し、ポジティブな姿勢で転職活動を成功させましょう。大手企業を中心として、ジョブ型雇用を導入する国内企業が近年増えつつあります。メンバーシップ型雇用に続く雇用制度として、制度の概要を聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。 この記事では、日本でジョブ型雇用が注目を集めている理由、主流になっているメンバーシップ型雇用から移行するメリット、デメリットについて解説します。ジョブ型雇用が導入された企業で活躍するポイントも合わせて紹介しているので、当記事を参考にしていただければ幸いです。  

ジョブ型雇用とは?

ジョブ型雇用は欧米企業を中心として導入されているシステムで、日本では2018年頃から推進されている働き方です。 企業の要求に応じたスキルを持つ人を募集し、担当する職務範囲、雇用条件などを明確化した状態で雇用契約を結ぶことがジョブ型雇用の概要になっています。応募条件に見合った技能、スキルの高さが重視されており、成果に応じて給与が決まってくることが特徴です。 ジョブ型雇用の特徴として、従業員は職務記述書(ジョブディスクリプション)の内容に従って仕事を行うという点があります。職務記述書は従業員の職務内容、必要なスキルなどが記載された書類です。企業が応募者に要求するパフォーマンスを明確に規定することで、採用活動の効率化が見込めるようになっています。 一方、日本で主流になっているメンバーシップ型雇用は、長期雇用を前提として雇用契約を結ぶシステムです。1人の従業員に対してさまざまな職務をローテーションで割り当てて、長期的に活躍できる人材を育成することがメンバーシップ型雇用の主な目的になっています。  

ジョブ型雇用が注目される理由と背景

日本ではメンバーシップ型雇用が主流となっていますが、近年では大手企業を中心としてジョブ型雇用を導入する国内企業が増加しています。 国内でジョブ型雇用が推進される理由、背景について紹介します。  

新卒一括採用・終身雇用制度の限界

現代では複数の業界でグローバル化が進んでおり、同業他社との差別化を図るために専門性の高い人材が必要とされている状況です。 メンバーシップ型雇用の特徴である新卒一括採用、終身雇用制度は総合職(ゼネラリスト)の育成に適した仕組みであり、各分野に特化した専門職(スペシャリスト)の採用、育成が困難になっている面があります。年功序列による給与体系を導入している企業では、勤続年数が少ない専門職に対して適切な雇用条件を提示することが困難であるという問題もあります。 一方で、ジョブ型雇用は中途採用をメインとして、就業に必要なスキル、実務経験の有無を重視する採用方法です。職務内容と成果に応じて従業員の評価を行うことで、企業の生産性向上を図る仕組みとしてジョブ型雇用が注目されています。  

テレワークなど働き方の変化

日本では2020年4月に緊急事態宣言が発令された時期に、テレワークや在宅勤務などの働き方を導入する企業が大幅に増加しました。総務省の「令和3年版 情報通信白書」によると、企業のテレワーク実施率は1回目の緊急事態宣言の前後で17.5%から56.4%まで上昇しています。 テレワーク、在宅勤務などの働き方では従業員の勤務実態を把握しづらく、メンバーシップ型雇用の評価基準では従業員に対して適切な評価を行いづらいことが問題になるリスクが高いです。 一方で、ジョブ型雇用では担当する業務内容の難易度、作業量などの指標に応じて給与評価を行うことが一般的です。成果を上げた従業員に適切な評価が行えることから、テレワーク、在宅勤務の拡大に伴ってジョブ型雇用に注目する企業が増えていると考えられます。  

専門職の人材不足

近年ではAI技術の導入、IoT化といったIT分野に注力する企業が増えており、将来的にIT人材が不足することが予想されている状況です。経済産業省の「AI人材育成の取組」によると、2030年にはIT人材が約79万人不足すると予測されています。 若手IT人材の不足を解消する手段として、専門性の高い人材採用、育成を進めやすい仕組みを持つジョブ型雇用が注目されています。人手不足が進む状況で専門職を採用するには、職務内容、雇用条件などを明確化して求人募集を行うことが重要になります。ジョブ型雇用では職務内容、雇用条件などを記載した職務記述書を作成する必要があるので、職務内容を明確化した状態で求人募集が行えます。  

多様な人材を確保する必要性

企業として複数の分野で高いパフォーマンスを発揮するには、各分野に特化した人材を募集、採用する必要性が生じます。近年では業務のIT化、働き方改革などの施策によって働き方の多様化が進んでおり、業務内容の細分化、固定が行いやすいジョブ型雇用が注目されている状況です。 日本でジョブ型雇用が注目された出来事として、経団連が2020年1月にジョブ型雇用の拡張を提案したことがあげられます。短期集中での新卒一括採用では能力を充分に確認できないとして、通年で採用を行うジョブ型雇用への移行を提言した背景があります。 また、海外ではジョブ型雇用が主流になっている地域があることから、海外拠点での採用活動ではジョブ型雇用の導入によって成果が上がりやすくなることが考えられます。  

ジョブ型雇用の企業のメリット

人材不足、働き方の変化などの時代背景に合わせた採用方法として、ジョブ型雇用を導入する企業は近年増えつつあります。 ここでは、ジョブ型雇用の導入によって企業が得られるメリットについて紹介します。  

専門人材を確保できる

ジョブ型雇用では従業員ごとの職務範囲を明確化して募集を行うので、採用後は専門性の高い業務に集中しやすいシステムになっています。採用後の部署異動、転勤などは基本的に行わないことがジョブ型採用の特徴で、自社にとって必要なスキルを持った人材を募集するのに適した手法といえます。事業拡大や新事業の立ち上げなどで専門職が必要になった際に、必要なスキルを持った人材を任意のタイミングで募集できることが、ジョブ型雇用を導入する主なメリットのひとつです。  

即戦力人材を採りやすい

ジョブ型雇用を導入している企業では、自社が指定する業務に対応できるスキルを備えていることを重要視して採用活動を行うことが一般的です。依頼する業務内容に応じて給与、勤務時間などの条件を設定することで、専門性の高い即戦力人材を採用しやすくなる効果が見込めます。 ジョブ型雇用は時期に関わらず求人募集を行う手法であり、必要なタイミングで即戦力人材を募集できる点がメリットとしてあげられます。例えば事業拡大で人手が不足した場合、必要なスキルを持った人材を新卒、中途を問わずに募集できることが、ジョブ型雇用を導入している企業の強みです。  

生産性を上げられる

ジョブ型雇用の導入を推進している企業では、従業員ごとに担当業務が明確化されている職場環境を構築できます。成果に基づいて従業員を評価するシステムを構築することで、従業員のモチベーションおよび生産性向上が見込めます。ジョブ型雇用は専門性が高い人材を育成するのに適した採用方法で、スペシャリスト志向の従業員が働きやすい職場環境を構築できることが特徴です。  

ジョブ型雇用の企業のデメリット

専門性が高い人材の採用、育成を行う上で、ジョブ型雇用は複数のメリットがある手法です。 一方で、雇用条件を固定することで生じる問題、デメリットも存在します。  

人材が他社に流出されやすい

ジョブ型雇用を導入している企業では、雇用契約を結んだ後に勤務条件を変更することは原則としてできない仕組みになっています。自社より好条件の求人募集が行われていたり、従業員が職場に対して不満を持っていたりする場合には転職、退職といった対応を取られるリスクが高くなります。 雇用契約を結んだ後に勤務条件の変更を行うには職務記述書の更新が必要であり、更新を行うには従業員の合意が必要になります。ジョブ型雇用の企業に応募する求職者は職務内容、評価基準などを見て応募するパターンが一般的です。ジョブ型雇用を導入している企業では,他社からの引き抜き、短期間での退職などの問題が生じやすくなるリスクがあります。  

帰属意識が低くなる

ジョブ型雇用の企業に応募する人は雇用条件が決め手になっているパターンが一般的です。契約内容によっては他の従業員と関わる機会が少なく、部署単位で連携する、自社に貢献するなどの意識が高まりづらくなります。職務記述書に記載されていない業務は契約上行えないことから、他の従業員と連携する機会が少なくなる点もジョブ型雇用のデメリットのひとつです。 ジョブ型雇用で入社した従業員をチームに組み込む場合、他の従業員と連携できるように職務記述書の内容を調整することで、チーム単位で業務効率の向上が見込めます。  

配置転換などが難しい

ジョブ型雇用では、雇用した人材の配置転換や職務内容変更などを行うには従業員による合意、契約更新が必要です。職務記述書に記載されていない業務に従事させることに従業員が合意し、職務記述書の更新手続きを行わなければなりません。ジョブ型雇用は専門職を募集するのに適している一方で、部署異動、配置転換などを前提とした総合職の育成には適さない問題があります。  

ジョブ型雇用の求職者のメリット

専門性がある知識、スキルを持つ人にとって、ジョブ型雇用の導入が進むことは就職、転職活動を進める上でさまざまなメリットがあります。ジョブ型雇用の推進によって求職者にどういったメリットがあるかを紹介します。  

自分の専門スキルを高めやすい

専門性の高い業務を継続的に行えるので、特定のスキルを高めやすい環境で仕事できるようになっています。ジョブ型雇用は専門職の募集に適した採用方法であり、得意分野を集中的に伸ばせることは専門職の人にとって大きなメリットのひとつです。採用後の昇進、転勤などは基本的に無いので、スペシャリスト志向の求職者にとってジョブ型雇用は活躍の場を探しやすくなるシステムであると考えられます。  

多様な働き方ができる

ジョブ型雇用を導入している企業は成果主義であることが一般的なので、リモートワーク、テレワークといった非対面での働き方でも公平な評価を受けやすい仕組みになっています。ジョブ型雇用では従業員ごとに業務範囲が明確化されているので、従業員が個別に働きやすいというメリットがあります。  

成果次第で高収入も狙える

ジョブ型雇用では業務成果が重視されやすく、業務の難易度や作業量などに応じて給与評価が決まることが一般的です。高度な業務を担当したり、高いパフォーマンスを発揮したりすることで収入増加が見込める企業である場合、業務に対するモチベーション向上、パフォーマンス向上を目的としたスキルアップの促進などが見込めます。  

ジョブ型雇用の求職者のデメリット

ジョブ型雇用に合わせた評価制度が整っている企業は、専門性のある仕事に集中できる、成果に応じて収入増加が見込めるなど、求職者に取っては様々なメリットがある環境です。一方で、行える業務が制限されやすい、部署異動や転勤が制限されているといった仕組みがデメリットになる場合があります。  

他の業務に回りにくい

ジョブ型雇用で入社した従業員は、基本的には職務記述書に記載されている業務が終了した時点で雇用契約が終了します。ジョブ型雇用で入社した従業員は業務経験のある分野が偏っており、部署異動や転勤などに対応しづらい問題があります。雇用契約を継続することが困難である場合、契約時の業務が終了した時点で退職、離職などの対応が必要になることが考えられます。  

常にスキルアップの努力が必要

ジョブ型雇用では専門職の募集が行われることが一般的で、メンバーシップ型雇用と比較して採用ハードルが高くなる傾向があります。スキルの高さや作業量などが重視される企業に就職した場合、継続的に就業するには常にスキルアップに向けた努力、自己研鑽が必要です。業務内容の変化、ノルマ向上などによって要求されるスキル、パフォーマンスを発揮することが困難になった場合、企業側から解雇、退職などを提案されるリスクが高くなります。  

失業のリスクがある

ジョブ型雇用を導入している企業に就職した場合、実務経験のある分野が偏っていることで転職活動が難航するリスクがあります。 株式会社パーソル総合研究所が2020年末から2021年初に実施した調査によると、従業員300人以上の日本企業において、ジョブ型人事制度を導入している企業の割合は18%、導入を検討している企業の割合は39.6%です。調査時点でジョブ型雇用を導入している企業は2割未満であることから、退職後に続けてジョブ型雇用の企業へ転職することは困難であると考えられます。  

まとめ

専門職の人材不足は今後とも続くことが予想されており、対応策としてジョブ型雇用を開始する国内企業が増えつつあります。企業が必要とする人材を任意のタイミングで募集、採用できるジョブ型雇用の仕組みは、スペシャリスト志向の求職者にとってもさまざまなメリットがあると考えられています。しかし、メンバーシップ型雇用から移行する場合には募集する職務内容、雇用条件などを充分に検討する必要性が生じます。新規導入を検討する際には、ジョブ型雇用の仕組み、メリット・デメリットを適切に理解することから着手することをおすすめします。パート求人と聞くと「主婦や主夫」の人が「スーパーなどで働いている」といったイメージを思い浮かべる方が多いでしょう。 しかし、必ずしもそういった条件がある訳ではありません。ここでは「パートタイム求人」の定義やメリット・デメリット、アルバイト・正社員との違いなどをご紹介します。  

そもそもパートとは?

パートとは「パートタイム労働者」のことです。「パートタイム労働法」では正社員などよりも短い時間働く人のことを表しており、契約社員や臨時社員などもパートタイム労働者に該当します。ここでは、パートの定義やアルバイト・正社員との違いについて解説します。  

パートの定義

パートとは「パートタイム労働者」の略称で、法律上では「短時間労働者」と言います。 パートタイム労働法(短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律)第二条によると以下のように定義されています。
一週間の所定労働時間が同一の事業主に雇用される通常の労働者(当該事業主に雇用される通常の労働者と同種の業務に従事する当該事業主に雇用される労働者にあっては、厚生労働省令で定める場合を除き、当該労働者と同種の業務に従事する当該通常の労働者)の一週間の所定労働時間に比し短い労働者をいう。 (引用:https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=405AC0000000076_20200601_501AC0000000024)
つまり、アルバイトやパートをはじめ契約社員・臨時社員など、正社員や正職員よりも勤務時間が短い人はすべて「パートタイム労働者」です。  

アルバイトとの違い

パートタイム労働者は正社員よりも短い勤務時間の人を指します。 では、アルバイトとパートにはどのような違いがあるのでしょうか。 実は法律上の違いはなく、海外においても短い時間だけ働く人を総称して「パートタイマー」と呼ぶので、アルバイトとパートに明確な違いはない、と言えるでしょう。あくまで傾向としての違いを挙げると、アルバイトは学生やフリーターなどを対象として使われることが多い言葉です。一方、パートは主婦や主夫を対象としている求人に使われることが多い言葉で、アルバイトよりも長期的に働ける人を求めている傾向があります。  

正社員との違い

正社員とパートの明確な違いは「給与」でしょう。また、パートやアルバイトは「有期雇用契約」で、正社員は「無期雇用契約」つまり、雇用契約の期間が終われば解雇される可能性があるのはパートやアルバイト、その心配がないのは正社員という違いもあります。そのほかにも、福利厚生の種類や掛け持ちでほかの仕事ができるかなど、多くの違いがあります。 一般的に、長期的に働く場合は正社員の方が良いでしょう。福利厚生なども充実しており、昇給など給与が上がる機会も多くあります。しかし時間の融通が利かず、今でも副業や兼業を禁止している会社も多いのが正社員の難点です。  

パートで働くメリットとは?

パートには「求人の多さ」「勤務時間の融通が利く」「異動や転勤が少ない」「かけもち可能」「職種の選択肢」といった沢山のメリットがあります。 パートやアルバイトは、臨時の労働力として求められているため、シフト制などある程度時間や日数の調整ができるのも魅力です。また、資格がなくてもできる仕事や未経験者歓迎の求人もあるので、正社員よりも採用されやすい点も長所と言えるでしょう。  

正社員と比べると求人が多く採用されやすい

パートやアルバイトは、正社員の補助や簡単な作業といった未経験・資格不要の求人が多いので、採用も基本的なマナーや礼儀、身だしなみが整っていれば正社員ほどは難しくありません。「正社員と比べると求人が多く採用されやすい」というメリットが挙げられます。 雇う側としても、臨時の労働力が欲しい場合にパートの求人を出すので、両者にとってメリットのある働き方とも言えるでしょう。  

勤務日数や勤務時間を調整しやすい

「アルバイト」や「パート」と言われると、多くの方が大学生などの若い人が放課後に働いていたり、主婦や主夫の方が家事・育児の隙間時間に働いたり、といったような光景をイメージするでしょう。 これも「勤務日数や勤務時間を調整しやすい」というパートのメリットのおかげです。シフト制の場合が多いので、急用ができても代わりの人を探せば調整できます。これにより、テスト勉強や子どものお迎えなど避けられない予定があり、時間一杯に働くのは難しい方でも働けます。 また職業によっては、育児などの理由から長い間仕事をできなかった方が復職のための準備として、パートやアルバイトといった雇用形態から再開していく「選択肢」としてのパート勤務も可能です。  

異動や転勤が少ない

職業にもよりますが、正社員の場合異動や転勤が発生する可能性があります。 しかし、学生や育児中の方にとって、引越しが必要な「異動・転勤」が発生する仕事で働くのは困難です。 たとえば、小学校に通う子どもがいる家庭で親に異動や転勤があると、多くの場合引っ越す必要が出てきます。しかし子どもは友だちと離れ離れになり、転校も求められるので、精神的な負担も大きくなってしまいます。 こういった理由をはじめ、さまざまな事情から生活圏を変えることが難しい人でも働けるのが、パートやアルバイトのメリットです。  

仕事のかけもちも可能

正社員や一部の職業では、就業規則などによって副業・兼業が禁止されている場合があります。 しかし、平日はスーパーで働き休日は飲食店で働く、といったように複数の仕事を掛け持ちできるのもパートの魅力です。 ちなみに、かけもちした場合の税金は2か所からの収入が合算されます。金額によっては扶養を外れて健康保険に加入する必要があるなど、さまざまな決まりがあるので注意しましょう。  

様々な職種を経験できる

「さまざまな職種を経験できる」というのもパートやアルバイトの魅力です。飲食店での勤務をはじめレジ打ちや工場での作業、荷物の仕分けなど、さまざまな経験を積むことができます。たとえば、飲食店のアルバイトで培ったコミュニケーション能力は、営業などの業務に生かせるでしょう。 正社員は、退職するためにさまざまな手続きが必要になる一方、パートやアルバイトであれば、正社員ほど気負うことなく退職できます。スキルを積んでから転職できるのも、パートやアルバイトのメリットと言えるでしょう。  

パートで働く際の注意点

パートやアルバイトとして働く際は「給与」や「雇用形態」「社会的信用」「福利厚生」「転職時の扱い」といった点を理解しておきましょう。 正社員よりも「給与」が安定せず、長期間働くことを想定していないため、クレジットカードやローンの審査を通過しにくくなることがあります。  

正社員と比べると給与が低く安定しない

多くの場合、パートやアルバイトは時給制です。勤務時間の融通が利く分、正社員と比較すると給与は低く安定しないのが欠点となります。 もちろん、多く働けばその分給与も多くなりますが、反対に働く時間が少ないと給与も少なくなってしまいます。 また、賞与や退職金などは基本的に支払われません。 さらに、パートやアルバイトではシフト制の場合が多いので、希望通りの時間働けるとは限らない点もポイントです。 つまり一定時間働いて、一定の金額をもらえるのが「正社員」であり、勤務時間に融通が利く一方収入は安定しないのが「パートやアルバイト」と言えるでしょう。  

長期間安定して働ける雇用形態ではない

パートやアルバイトは「短時間労働者」に分類されるだけあり、長時間・長期間の勤務には向いていません。 また、ほとんどの場合パートやアルバイトは「有期雇用契約」なので、契約期間が終わったと同時に解雇されてしまう可能性もあります。 その場合はまた新しく仕事を探す必要があるので、長期的に働くことを考えている方はパートよりも「無期雇用契約」の正社員を検討すると良いでしょう。 その一方、さまざまな仕事を経験したい方には、パートやアルバイトがおすすめです。  

社会的な信用が低い

給与の低さや収入の不安定さなどの要因が重なるため、クレジットカードやローンなどの審査に通りにくい傾向があります。 審査の基準は公開されていませんが、主に借りる人の年齢や年収、職業、今までの返済状況などから判断されています。 そのため、特に金額が大きいローンを組む場合は不利になってしまうことが多く、車や住居など、大きな金額を扱う取引や買い物などの契約は注意が必要です。  

正社員と比べると福利厚生が劣る

一般的に残業と言われるような「時間外労働」など、法律上定められているものはパートやアルバイトでも適応されますが、介護保険や住宅手当といった福利厚生は、条件を満たしていないと受け取れないという欠点もあります。 また、パートやアルバイトの場合、健康診断などが義務付けられていない点も注意です。 総じて自身の健康や生活に対する支援が正社員よりも少ないため、自己管理が求められます。  

転職に不利

パートやアルバイトは、正社員ほど責任のある仕事を任されません。 そのため、スキルを身に付ける機会も少なく、履歴書でも職歴として考慮されない傾向があります。 しかし、あくまでこれは先入観や偏見のようなものです。 近年は多くの会社が「新卒」といった肩書よりも、その人の「経験」や「スキル」を重視するようになりました。 個人のやる気と能力を面接官に理解してもらえれば、パートやアルバイトでも採用してもらえるでしょう。  

まとめ

パートとは「パートタイム労働者」の略称で、法律上はアルバイトや契約社員、臨時社員などと扱いは一緒です。正社員よりも短い時間勤務する人のことを指しています。勤務時間や日数の調整がしやすい点や掛け持ちが可能な点、異動や転勤が少ない点はメリットです。 一方、正社員よりも給与は低くなる傾向があり、福利厚生などの点では正社員ほど充実していない点がデメリットと言えるでしょう。パートにはパートの、正社員には正社員のメリット・デメリットがあります。勤務時間や給与など、自分の希望に合った仕事を探しましょう。転職活動における面接では「転職理由」について必ず質問されます。その際のベストな回答はどのようなものでしょうか。 転職理由を上手く答えるには、ただ正直に回答するのではなく、面接官が何を確認したいかをしっかり把握しておく必要があります。また、テンプレート通りの答えではなく、自身の言葉で自分なりの転職理由を答えることがポイントです。 ここでは、面接の席で転職理由を答える際の注意点に加えて、回答例文も紹介します。入念に事前準備して面接に臨みましょう。  

面接で転職理由を聞かれる背景

採用面接において転職理由は絶対に聞かれる質問です。では、なぜ面接官はこの質問をするのかを考えてみましょう。 ずばり、面接官が見極めたいのは「すぐに辞めてしまわないか」の1点に絞られているといっても過言ではありません。それをチェックするための質問が「転職理由について」なのです。この項目では面接で転職理由を聞かれる理由について解説します。質問にどのような背景があるのかを理解することで、効果的なアピールに繋がる回答を心掛けましょう。  

早期の退職リスクを減らしたい

採用担当者が1番敬遠したいと思っている人材は、入社してもすぐに辞めてしまう人です。 そのため、転職理由は人により違えど、自社でも前職・現職と同じ理由ですぐに退職してしまわないか見極めようとします。早期退職の心配がないと安心感を持ってもらうためにも、応募先企業と退職する企業の違いをきっちりと説明し、理解してもらいましょう。ここで注意すべきは、志望動機と内容が一致しているかどうかです。 転職理由と志望動機のすり合わせができていないと、採用担当者に不信感を抱かれてしまいます。  

会社との相性を探りたい

面接では応募者と自社の相性もチェックされます。例えば、営業職から同じ営業職への転職だったとします。 応募者がフットワークを活かした外回りの営業を希望しているのに対し、応募先企業の営業は社内業務が多いというケースでは、相性がマッチしているとは言えません。また、束縛されず自分の判断で動きたいという理由で転職を希望している応募者では、プロジェクトチームで業務を進めるスタイルの企業に採用される可能性は低いでしょう。 採用担当者に「この人は採用してもすぐに辞めてしまうかもしれない」と不安を抱かれないように、あらかじめ企業方針や業務スタイルを把握して受け答えることが重要です。  

解決策を知りたい

人間関係や待遇を理由とした転職はよくあることです。こういったケースでは、退職すること自体が目的で、応募者の中で転職理由がはっきりとしていないことがほとんどです。いわゆる「逃げの転職」では、採用しても自社で同じような不満があればすぐに退職してしまうと思われてしまいます。 もし、人間関係や待遇が転職理由になるのであれば、面接の席でただ不平不満を述べるだけではいけません。採用担当者は自社で同じシチュエーションになった場合の対処を知りたがっているのです。対策や具体的なアクションを考えて伝えるようにしましょう。  

代表的な転職理由を整理しよう

何となく今の職場が嫌だからという気持ちで転職活動を行っても、良い転職には繋がらないでしょう。 転職する前にはたくさんの確認事項があります。なぜ現在の職場から離れ、新たな職場を希望しているのかという転職理由を明確にしたうえでしっかり整理し、面接で具体的に伝えることが大切です。代表的な転職理由について、以下で解説します。  

給料をアップしたい

やはり転職理由のトップは「給料アップ」でしょう。業種によっては「給与が低くても、やりがいを感じられれば良い」という人もいますが、本人が気づいていないだけで、そういった企業はブラック企業である可能性も考えられます。 給与の額は業績に対する評価の指標と言っても過言ではありません。業績を上げ昇格したとしても給与面での変化がほぼ無いのでは、正当な評価をされていないとも言えるでしょう。昇格の見返りが仕事量の増量だけというのもよく聞く話です。 また、給与は生活に直結しているため、いつまでも同じ年収では金銭的に不安を感じてしまいますし、何より仕事のモチベーションに繋がりません。成果に応じた評価が得られないという環境では、転職を考えても良いでしょう。  

キャリアチェンジしたい

「やりがいの感じられる仕事をしたい」「スキルの幅を広げたい」「本来の夢である仕事に就きたい」など、前向きな理由で転職をする人もいます。いざ就職したはいいが、希望した業務に就くことができなかった場合など、キャリアチェンジは十分な転職の理由になり得ます。 特に理由もなく漠然と転職したい人と比較して、キャリアチェンジを検討している人は目標や将来のビジョンが明確に持っている人が大半です。応募企業や、その企業が属する業界において有用なスキルを自分が持っている証明や、貢献できる根拠になるエピソードを準備しておけば、面接の場で転職理由を聞かれた際も積極的にアピールできるでしょう。  

人間関係に悩んでいる

「上司からの圧力が強い」「同僚と上手くコミュニケーションが取れない」「取引先に横暴さを感じる」など、人間関係に苦悩し転職を希望している人も多くいます。仕事だけに留まらず、人の悩みは人間関係が大半と言われています。対人の問題なので人間関係の悩みは自身のみで解決するのは困難です。こういった悩みは自身に大きなストレスや不安感を与え続けます。 一日の大半は職場で過ごすため、その間このような負担を受け続けると精神がまいってしまい、場合によってはうつ病や不安神経症などの精神疾患に繋がることもあり得ます。異動を申し出るといった手段もありますが、精神的に疲れているとそれも難しいでしょう。職場の人間関係に改善の見込みがない場合は、環境を変えるために違う企業への転職もひとつの方法です。  

転職理由を面接で正しく答えるための4つのポイント

では、実際の面接で採用担当者に転職理由を聞かれたら、どう回答するのがベターで、どう回答するのがNGなのでしょうか。 取り繕うことなく答えるポイントは4つです。それぞれ、具体的に解説していきます。  

前向きな姿勢を表現する

面接の質疑応答の中で、転職理由は最も話しにくい話題かもしれません。ケースによっては、自分の至らない点や弱点に繋がるエピソードを語る必要性も出てくるでしょう。だからこそ、なおさら胸を張って沈まずに回答してください。 もし、転職理由に関して厳しく問い詰められたとしても、下を向いたり、肩を落としてしまうのはNGです。追求されたことについては真摯に受け止め、成長の糧にするくらいの意欲があることが伝わるように努めましょう。面接で何より大切なことは、転職への熱意と前向きな姿勢を表現することです。  

働く目的と一貫性を持たせる

転職理由と、自分の人生における働くことの目的が一致していることも転職における重要なポイントになります。そもそも転職とは、「自分の理想の人生・働く目的」と「現状の自分」とのズレを直すための手段でもあるからです。 転職理由を説明するときは、ネガティブな事柄もポジティブに表現すると良いとはよく言われます。「前職または現職が辛いから・不満があるから」を転職理由にするのではなく「自分の理想とする人生を歩むため・働く目的を叶えるため」というポジティブな観点を持つようにしましょう。このような思考のもと、転職理由を再考すると、自然と前向きなスタイルが身に付きます。  

正直に答える

多くの経験を持つ面接官は候補者の嘘には敏感で、たちまちに見破られてしまいます。 場合によっては、さらなる詳細を聞かれて回答に矛盾が出てしまうかもしれません。経験豊富な採用担当者は「前職・現職に不満や不安があるから転職を希望している」ということを十分に理解してくれています。高評価を得ようと、嘘の転職理由を作る人がいますが、面接で嘘をつく必要はないのです。あからさまに不満を述べないなど、表現に気を付ける必要はありますが、転職理由で嘘をつくのはマイナスにしかなりません。嘘で勝ち取った内定は、「嘘をついて入社した」というストレスとして自身の精神を蝕み、結果的に退職することになってしまうでしょう。  

言いたくないことを明確にする

とは言うものの、退職を決意した理由を一から十まで全て包み隠さず打ち明けなくても大丈夫です。 言いたくないことは面接前に明確にしておき、そこを追求されても表現に気を付けて回答を断れば、面接官も配慮してくれます。 面接で話す転職理由は、応募先企業への入社によって解決されることに限定するのが得策でしょう。 前述の通り、採用担当者が転職理由を聞くわけは「入社後すぐに辞めてしまわないか」を見定めるためです。そのため、前職・現職だけでなく、応募先企業でも発生しうる状況を転職理由として挙げるのには大きなリスクを伴います。例を挙げると、人間関係が転職理由というのはNGと言っていいでしょう。「上司と合わない」「同僚に不満がある」というシチュエーションは、どんな企業でも起こりうることです。面接で「うちの会社でも上司と合わなかったら辞めるの?」と回答に困る質問をされてしまうかもしれません。  

ケース別の転職理由の例文を参考にしよう

繰り返しますが、面接官が転職理由を聞くのは「すぐに辞めてしまわないか」です。そのため、採用を勝ち取るには、自分を採用するとどんなメリットがあるかを、前向きに熱意を持って伝える必要があります。 また、転職によって転職に至った問題点を解決できるかもポイントです。ここでは、実際の面接時に転職理由を効果的に伝えられる解答例を紹介します。  

給与をアップしたいケース

直接的な理由は給与面での待遇が良いとは言えず、生活面でゆとりが無いことです。 現在の月収は18万程度ですが、先輩社員によると5年経っても昇給は見込めないとのことでした。家族を養わなければならないほか、両親への仕送りが必要なことを考慮すると、現在の会社で働き続けるのは困難と言う考えに至り、転職を決意しました。御社では業績に応じたポジションとインセンティブを得られると伺っております。業績面で貢献することで、経済的な難を脱し、キャリアアップをしたいと考えています。
「月収18万」「5年後も昇給の見込みがない」など、具体的な数字で現状を説明できています。理由として「両親への仕送り」という、面接官も得心する事情が組み込まれており違和感を感じません。応募企業の特性に理解があることと、将来性をアピールしているのも良い印象を与えるでしょう。  

労働時間を改善したいケース

現在の職場では残業が常態化しており、終電を逃すこともあります。同僚も同じ状況で、業務効率化ツール導入の提案や、増員の要請などのアプローチを試みましたが、変化を嫌う風土もあり受け入れられませんでした。仕事と生活のバランスを尊重している御社なら自分らしく働けると考え、志望しました。
残業について「終電を逃す」という具体例を挙げられており、納得させる力があります。また、その状況が自身の能力不足ではないことが、「同僚も同じ状況」と伝えることで提示されています。改善するための行動も具体的です。会社の方針が保守的なため転職を希望しているというフローにも不自然さは無く、説得力を持っていると言えます。  

キャリアチェンジしたいケース

現職では営業職に従事しておりますが、お客様の声を把握しているにも関わらず、課題を解決できない現在の仕事に行き詰まりを感じています。上司に改善案を提案したり、商品開発部への異動願を提出したりなどのアプローチを試みましたが、コスト・人員の両面で不可能との回答でした。未経験ではありますが、営業職で培った顧客ニーズを汲み取るスキルには自信があります。御社の商品開発部で顧客本位の商品制作に邁進したいと志望しました。
全体を通して「顧客本位」という仕事上のプライオリティが感じられる趣旨で好印象です。キャリアチェンジに対する熱意も伝わってきます。この「顧客本位」が、営業職での経験を基に形成されたものであり、転職後も有効活用できるとアピールできているのもポイントが高いです。  

まとめ

「転職理由は何ですか?」面接官がこの質問で確認していることは「採用してもすぐに退職してしまわないか」という点です。 応募者が転職を志した背景にさまざまな事情があることは面接官も汲み取ってくれています。ただ正直に答えるのではなく、面接官の質問の意図をしっかりと理解して回答するようにしましょう。 また、退職理由と志望動機がマッチしているかもポイントです。この2つが一貫していないと面接官に「嘘をついている」と思われてしまうかもしれません。面接前に理由と志望動機をすり合わせた回答を用意し、転職面接に臨みましょう。転職した後、職場で挨拶を行うときには緊張する方も少なくないでしょう。 転職が決まってから初出勤を待つ間には、どのような内容の挨拶にするか、好印象を与えるためにはどうするべきかなど、悩むこともあるのではないでしょうか。 そこでこの記事では、転職の挨拶を行うときの流れや注意点について具体的に解説します。転職の挨拶をメールで行うときの書き方も紹介しているので、転職を予定している方はぜひ参考にしてください。  

転職の挨拶で話す内容

  転職の挨拶で話す内容 職場でのミーティング風景 転職して初めての入社挨拶は、朝礼の場になるケースが多いでしょう。 始業前のタイミングで長い挨拶を行うとマイナスイメージにつながるので、簡潔な内容にとどめる必要があります。 とは言え、仕事で今後関わる上司・同僚に対する自己紹介と言うことを踏まえて、少なくとも名前と今後の意気込みは必ず伝えましょう。  

自己紹介をする

自己紹介は名前と意気込みを話す程度でも問題ありませんが、状況に応じて年齢、出身地、趣味などに関する情報を付け加えると、より具体的な人物像を伝えられます。年齢が近い、出身地が同じなどの情報が会話のきっかけになる可能性もあるため、挨拶が長くならない程度に話題として触れることをおすすめします。 また、仕事の場では経験業種や勤続年数などのほうが関心事になりやすいトピックなので、出身地や趣味などに関しては話のきっかけを示す程度にとどめるようにしましょう。目安としては、意気込みや前職の経験なども含めて30秒から1分ほどで収めることが一般的です。  

前職について説明する

経験者として転職する場合は、前職の業種や経験について話すのも良いでしょう。 仕事にどの程度慣れているかを伝える情報として、前職の業種、勤務年数などは挨拶の内容に含めることが一般的です。 注意点として、過去に携わってきた実績や金額などは自慢話のように捉えられてしまう場合もあるため、基本的には話さないようにしましょう。また、勤めていた会社名、・職なども場合によっては経歴をアピールしているように受け取られやすいので、必要でなければ言わないほうが無難でしょう。 ただし、転職先の会社で自分に関する間違った情報や噂などが広まっているケースでは、自分から正しい情報を話して誤解を解いたほうが良い場合があります。状況を見つつ判断してみてください。  

志望する意気込みを語る

転職の挨拶を手短にまとめたい場合、前職の業種と年数、今後の意気込みを簡単にまとめると、新しい職場に対するモチベーションを分かりやすい形で伝えられます。 例えば「本日よりお世話になります○○と申します。前職では○○業界で営業として○年間従事していました。こちらの業界は未経験ですが、前職での知識と経験を活かし、一日でも早く仕事を覚えられるよう頑張ります。ご指導のほどよろしくお願いいたします。」といったようにまとめた場合、30秒から1分ほどに収められます。 基本的には前向きな言葉を多用し、仕事に対する姿勢をアピールすることを心がけましょう。 転職初日の挨拶では「分からないことばかりですが」といった謙遜する表現が使われやすいですが、聞く人によっては仕事に前向きでないと受け取られる場合もあります。 主張しすぎず、謙遜しすぎずといったバランスに気を配るようにしましょう。  

転職の挨拶で好印象を与えるためには?

転職の挨拶で好印象を与えるためには? 隣り合う2本の指に描かれたかわいらしい顔とハートのマーク 転職者の第一印象が決まる場として、転職の挨拶は大きな割合を占めています。 エン・ジャパン株式会社が運営する「エン転職」が実施した複数回答のユーザーアンケートによると、回答者の62%が転職者の挨拶から良い第一印象を受けたとされています。 一方で挨拶によって悪い第一印象を受けたとする回答者は31%を占めており、転職の挨拶は第一印象に大きな影響を与えていることが読み取れるアンケート内容です。転職の挨拶では、職場に好印象を与えられるように話す内容、立ち振る舞いを意識しましょう。 ここからは、挨拶で好印象を残すポイントをご紹介していきます。  

はっきり・明るく・大きな声で話す

人の第一印象は話し方で決まってくる部分が少なからずあります。 聞き取りやすいように明るくはっきりとしたトーンで話すようにすると、転職先の職場に好印象を与えやすいです。緊張で声のトーンが低い、顔が下向いているなどは暗い印象を与える原因になるので、緊張している場合は意識的に明るい雰囲気になるよう心がけましょう。 不安な点がある場合は入社当日までに挨拶の練習を行い、喋り方に意識を集中できるように対策することが考えられます。緊張した状態でも明るくはっきりと話すように意識できている人は、職場から好印象を持たれやすいでしょう。  

笑顔が大事にする

転職の挨拶を行うときには、笑顔を意識して喋ることが好印象を与えるポイントです。心理学者のアルバート・メラビアンが提唱したメラビアンの法則によると、人の第一印象の55%は視覚、38%が聴覚、7%が言語情報で決まるとされています。聴覚は話し方、言語情報は話す内容を指す項目です。笑顔は視覚情報に含まれる要素で、第一印象を良くする工夫として笑顔で喋ることは好印象を与えやすい対応だと言えます。 また、自然な笑顔ではきはきと喋っている人は社会人として好印象を持たれやすく、話しやすい人だと印象付けられる効果が見込めます。個人単位で挨拶回りをする場合でも、笑顔で喋ることが好印象を与えるポイントです。  

姿勢にも注意する

転職してきた職場では、これから会社の役に立ちたい、貢献したいという考えが伝わるように、仕事に対する前向きな姿勢をアピールするようにしましょう。 例えば「一日でも早く仕事を覚えられるように頑張ります」「少しでも早く会社に貢献できるよう努めてまいります」といったように話すことで、仕事に対する前向きな姿勢をアピールできます。経験がある業種でも、転職直後は仕事の手順やルールなど分からないこともあるでしょう。そうしたときに、分からない点を積極的に質問したり、仕事を早く覚えられるように努めていたりする謙虚な姿勢でいる人は、職場で好印象を持たれやすいです。 転職の挨拶では笑顔を意識したり、積極的に仕事を覚える姿勢を形として見せたりすることが、上司や同僚などに好印象を与えるポイントです。  

転職の挨拶で成功を呼ぶ3つのポイント

転職の挨拶で成功を呼ぶ3つのポイント 積み重ねられた3冊のノートと2本ボールペン 転職初日の挨拶で好印象を与えるには、挨拶を行うときの流れ、話し方などを工夫することが大切です。 どの会社でも挨拶で話すべきことは大体共通しているため、自然な流れで話せるように文章を組み立てておくと滞りなく話を進めやすくなります。ここでは、転職の挨拶で職場に好印象を与えるポイントを3点にまとめて紹介します。  

要点を簡潔に話そう

部署全体に向けて挨拶する場合、転職者向けの書類手続き、職場案内などが完了したタイミングで時間が設けられることが一般的です。 転職の挨拶を行うときには、名前、前職の経験、意気込みなど伝えたい要点を簡潔にまとめましょう。目安として1分以内に話をまとめるようにすると必要な情報を伝えやすいです。 転職初日の挨拶では、仕事で関わる人に自分の顔と名前を伝えて、良い第一印象を持ってもらうことが主な目的です。挨拶が長くなりすぎると話の要点が分かりづらく、聞く人の仕事を滞らせる原因にもなります。考えながら話をまとめることが困難である場合、事前に原稿を準備しておくと滞りなく話しやすいです。  

メモも用意しよう

転職初日は緊張しやすいタイミングであり、当日になって緊張で頭が真っ白になるというミスは珍しくない話です。 対策として、話す内容を記載したメモを持参しておくと緊張によるミスを防げます。仕事の説明、引継ぎなどを受ける際にもメモ帳と筆記用具は持っておきたい道具なので、転職初日には常に持ち歩くようにしましょう。  

個別にも挨拶しよう

部署全体に挨拶する機会とは別に、個人単位で挨拶を行うことも職場になじむ工夫として必要です。書類手続きや職場案内を進めているタイミングで社員と顔を合わせるパターンも考えられるので、転職が決まった際には基本的なトーク内容を考えておきましょう。個別に挨拶を行うときには「本日よりお世話になります○○と申します。今後ともよろしくお願いいたします。」といった簡単な内容で問題ありません。 なお、会社によっては転職初日から仕事の引継ぎを進めたり、全体向けの挨拶を行わずに仕事に入ったりする所もあります。転職が決まった際には、全体向けの挨拶を早めに考えておくことで個別の挨拶にも対応しやすくなります。  

転職の挨拶メールについて

転職の挨拶メールについて メールソフトの起動画面 転職の挨拶を行う日に居ない人に対しては、当日中に転職の挨拶メールを送るようにしましょう。 基本的に、仕事で関わる機会がある人には挨拶メールを送ることがマナーです。全体向けの挨拶を行うときに居なくても、当日中に個別で挨拶できた人に対しては挨拶メール不要です。他の事業拠点やクライアント、取引先などの相手に関しては、最初に連絡を取るタイミングで挨拶メールを送信しましょう。 また、社内向けに転職の挨拶を行うときのメールは、口頭で話した内容をそのまま記載して問題ありません。具体的には自身の名前と配属部署、前職と意気込みをメール本文に記載してみましょう。なお、メールのタイトルは「入社のご挨拶(部署・氏名)」と記入し、タイトルから要件が分かるようにしておきます。メールを無題で送信してしまうと迷惑メールフォルダに振り分けられる場合があるので、本文を入力した後は必ずタイトルを確認、入力してから送信することが入力ミスを防ぐポイントです。 クライアント向けに転職の挨拶を行うメールでは、自身の名前と配属部署、前任者の名前および今後の意気込みを記載することが一般的です。本文中には前任者の名前を明記しておくと、次回以降のメールを滞りなくやり取りしやすくなります。メールのタイトルは「新任のご挨拶」と記入し、タイトルから要件が読み取れるようにしておきましょう。  

まとめ

まとめ 握手をする二人 転職の挨拶を行うときには、名前と前職の情報、意気込みについて1分程度でまとめることが一般的です。 転職先での第一印象に影響する場なので、笑顔ではっきりとしたトーンで話すようにしましょう。全体に向けた挨拶に加えて、仕事で関わる同僚、クライアントなどには個人単位での挨拶も必要になります。転職先での仕事を円滑に進めるための工夫として、転職の挨拶を滞りなく行えるように準備を進めておきましょう。IT技術の進歩にともない、昨今はITエンジニアを志す求職者が増えています。 多くの業界・業種でDXが進み、IT技術が活用される中、システム開発・運用に欠かせないITエンジニアの需要も高まっているのです。 しかし、エンジニアをはじめとするIT人材は、市場規模の拡大によって今後も応募者数が増えると予想されてます。そのため、IT業界を志す求職者側も、高い競争率を勝ち抜いて内定を勝ち取らなければならなくなるでしょう。 この記事では、ITエンジニアを志望する求職者に向けて、面接で内定を獲得するポイントを5つご紹介します。当記事で紹介する5つの方法を実践して、後悔のない面接を叶えましょう。

面接の種類

スーツを着て立つ男性 ポイントを紹介する前に、まずは面接の種類や形式を把握しておくことが大切です。 ひと口に「面接」といっても、近年はさまざまな形式で執り行われるようになりました。 形式ごとに面接官がチェックするポイントも異なるため、求職者側はシーンごとに重要視されるポイントを理解することが重要です。では、形式別に特徴やポイントを確認してみましょう。

個人面接

求職者一人と面接官が一人、もしくは二人以上で行われる形式です。 他の形式と比べて、一人あたりにかける時間が長いため、履歴書やエントリシートの内容を深掘りすることが多い傾向にあります。 そのため、履歴書に記載した内容と受け答えに相違がある場合は評価が下がってしまう可能性がある方式です。事前に記載内容を確認したり、想定され得る対話をイメージしたりしておくと良いでしょう。また、集団面接のように応募者が複数いる形式では、答えにくい質問をされるケースも少なくありません。練習を積み重ねてスムーズに受け答えられるようにしておきましょう。

集団面接

複数の応募者が同時に面接する就活においては、もっともスタンダードな形式です。 評価ポイントは個人面接とあまり変わらないものの、他者と常に比較されるため、身だしなみや雰囲気が評価に大きな影響を与えます。当然、他者と同じような受け答えになることもありますが、表現や言い方を工夫することで好印象を与えられるでしょう。 また、逆質問は高評価を得るチャンスなので積極的に質問することが重要です。

グループディスカッション

企業側が設定したテーマを基に、グループで議論し合い、導き出した結論を最後に発表する選考形式です。先程紹介した面接形式とは評価ポイントが異なり、グループ内での協調性やリーダーシップ、積極性などが評価対象になります。 グループディスカッションでは、発言することを意識しましょう。独自の意見が思いつかない場合、他者の意見と同様の発言をしても問題ありません。とにかく、発言しないと評価は得られないため、同様の意見でも発言しないよりかは評価されます。 ただし、積極的に発言しすぎてしまうと自己中心的と捉えられてしまうため、発言の量やタイミングなどに注意しましょう。

オンライン面接

近年は、新型コロナウイルスの影響によってオンライン上で面接を行う形式が増えています。 対面形式と比べて、伝わる視覚・聴覚情報に制限があるので、表情や話し方を工夫するのがポイントです。 また、面接をスムーズに進めるためにネット環境を整備しておくことも大切です。 他にも、画面が揺れないようにカメラを固定することや、マイク・イヤホンの設定、表情がはっきりわかるように明るさを調整するなどの事前準備を行いましょう。

面接で見られる基本ポイントを理解する

ノートにチェックリストを作成する風景 面接官はさまざまな観点から応募者をチェックします。 しかし、面接の時間は限られているため、短い時間内で応募者の適正を見極めなくてはなりません。これは言い換えると、応募者側としても限られた時間内に、できるだけ効果的なアピールが必要ということです。

外見から与える印象

髪型や身だしなみを整えて、状況に見合った外見で面接に臨むのは、社会人として当然のマナーです。清潔感のない服装は、面接官にだらしない印象を与えてしまい、完璧な受け答えができても、外見の印象で評価は下がってしまうのです。 面接で評価に大きな影響を与えるのは、第一印象だと言っても過言ではありません。 身だしなみは簡単に改善できるポイントです。面接会場に向かう前に、身だしなみを入念に確認し、清潔な印象を与えられれば、面接を有利に進められるでしょう。

入社や仕事への熱意

入社への熱意が感じられるか否かという点も、面接で重要視されます。 入社後の目標や実現したいことを答えられなければ、熱意がないと判断されかねません。熱意を持つ人は、面接官に「職場内のモチベーションを高める」「業務を率先して引き受ける」といった印象を与えます。 企業には、企業に貢献してくれそうな人に入社してもらい、なおかつ離職して欲しくないという考えが前提にあるのです。面接時に「自社でなければならない」という熱意をアピールできれば、入社後も積極的に活躍してくれると期待を持ってもらえるでしょう。

一緒に仕事がしたいと思わせる思える人柄

最近では、面接で人柄を重視する企業が増えています。高い能力や熱意があっても、企業が求める人柄でなければ、採用されるのは難しいかもしれません。 ここでいう人柄とは、企業が「一緒に働きたい」と思える性格や価値観を持っていることです。職場の雰囲気は社員の人柄次第で変わり、労働環境に影響を与えます。 また、仕事の多くはチームを組んで行われるもので、仕事の悩みの大半は人間関係と言われることがあります。企業としては、一緒に働きたいという人を採用して、社員間における人間関係の悩みを無くし、仕事の効率を上げたいと考えているのです。

面接時のマナー

時間を守れないことや姿勢・言葉遣いが悪いと、相手に悪印象を与えてしまいます。 こうした配慮は面接に限ったことではなく、社会人として気を付けるべきことです。 例えば、採用された後に上司など目上の人と対話したり、顧客と話したりするときも同様に注意が必要でしょう。面接官が求めているのは「今後同じ会社で一緒に働ける人」です。そのため、基本的なマナーが身についているか否かは重要なポイントと言えます。

面接の事前準備は念入りに行おう!

  デスクの上に開かれたノートパソコンをタイピングする人 続いて、面接前に行っておきたい事前準備についてご紹介します。 事前準備がしっかりとできていなければ、効果的な自己PRは難しいでしょう。企業研究や対話のイメージトレーニング、伝え方の方法など、面接を突破するには入念な事前準備が重要です。

自己分析をしアピール力を高める

面接官への自己PRは最も重要な要素と言っても過言ではないでしょう。 そして、この自己PRに役立つのが自己分析です。自己分析のメリットとして「自身の性格や傾向を把握し、企業選びの軸を見つける」「自身の強みや特徴を明文化する」といった要素が挙げられます。面接時に自身の強みをただ伝えるだけでは説得力に欠け、面接官の心に響きません。 しかし、自己分析をすることで、自身の真の強みとそれを裏付けるエピソードが見つけられるでしょう。 また志望動機についても、入社志望の根拠となるエピソードをしっかりと作りこんでおくことで、入社への意欲を伝えられます。

履歴書やESの内容を再確認する

履歴書やESに書いた内容は、しっかり頭の中に入れておきましょう。 書類選考が行われる場合は履歴書とESだけで合否が決まります。 しかし、履歴書やESは書類選考だけでなく、面接でも利用されるのです。面接官は履歴やESを面接前にチェックしており、面接時も書かれた内容を見ながらさまざまな質問をします。履歴書やESに書かれた内容と、面接時の回答が一致していないと、面接官からの信用を失う可能性もあります。

企業研究をし質問に備える

企業側としては、他社ではなく自社で働きたい熱意をもった人を採用します。 そして、短い面接時間の中で効果的に熱意をアピールするには、質問を想定した企業研究が非常に有効です。自社に対する理解度を測るための質問は、Webサイトに記載されているような基本的な情報から出されます。細部にわたって企業研究をし、全ての情報を網羅する必要はありません。面接でされる質問をイメージし、それの回答となる情報から集めていくと良いでしょう。

想定質問と逆質問対策

面接時に聞かれるであろう質問に対して、回答方針を決めておけば、本番でも落ち着いて受け答えできます。企業に関する理解度を図るための質問は、企業HPに記載されている情報から出されるケースがほとんどです。企業によって質問内容に多少誤差があるものの、聞かれることが多い質問を想定して対策しておくようにしましょう。 本番で落ち着いて答えられるか心配な方は、事前に練習しておきましょう。特に面接など緊張しやすい場面では、逆質問をされると咄嗟に思いつくことが難しいこともあります。そのため、いくつか逆質問のストックを作るようにしておきましょう。

面接で内定獲得に向けた5つのコツ

Be smartの文字と電球のイラストアイコン 企業が評価するポイントを踏まえて、面接対策ができれば結果的に内定へと繋がるでしょう。 ここでは、面接で内定を獲得するためのコツを5つご紹介します。

コツ1:受け答えは分かりやすくはきはきと答える

面接は面接官とのコミュニケーションを図る場であるため、相手を意識した会話が大切です。 内容を丸暗記して伝えたり、一方的に話したりすると面接官に好印象を与えられません。 そのため、自然な会話を意識して、ポイントを押さえて端的に話す心がけが重要です。 特に面接官が受け答えの際に注目しているのが、「質問意図に対して的確に答えられているか」という点です。面接では、質問意図を的確に返せているか否かで、コミュニケーション能力や論理的思考力をチェックしています。質問に対して的外れな受け答えをしてしまうと、コミュニケーション能力が低いと判断されてしまいます。質問意図を瞬時に理解するのは困難なため、事前に質問意図を考えて反復練習しておくといいでしょう。 しかし、質問内容によっては長い受け答えが必要になる場面もあるため、臨機応変に対応しましょう。話す前、または最中で話が多少長くなることを前置きしつつ伝えるなど、相手を配慮するワンクッションを入れると良いでしょう。 また、言葉が詰まった際についタメ口などが出てしまうと評価がマイナスになってしまいます。敬語は社会人の基本マナーなので、タメ口が出てしまうことは社会人としての素質が疑われてしまいます。雑になったり、緊張で早口になりすぎたりしないよう、ゆっくり・はきはきと・大きい声で話すことを意識しましょう。

コツ2:身だしなみを整える

外見が全てではありませんが、外見の印象で面接の評価も左右されることがあります。 初対面での最初の数秒間がその後の印象にも影響を及ぼす「初頭効果」という言葉があるように、服装や髪型といった身だしなみによって第一印象が決まることは珍しくありません。 そのため、明るくさわやかな印象を残せるよう身だしなみを整えましょう。出かける前や志望先企業の最寄り駅、面接会場のお手洗いなど身だしなみを整えられる場所はいくつかあります。

コツ3:表情豊かに姿勢を正しくする

面接時の正しい姿勢も重要なポイントです。姿勢が悪いと、面接官にネガティブな印象を与えてしまいます。ポジティブな印象を与えるには、背もたれに寄りかからず浅く座り、胸を張って背筋を伸ばしましょう。面接によっては1時間前後かかる場合もあるため、長時間正しい姿勢を保つ必要があります。練習として、普段から良い姿勢を保つ意識をしましょう。 また、表情も笑顔を意識すると好印象を与えられます。ただ、笑顔を作ると引きつった表情になってしまうので、口角を上げるという意識を持つと自然な笑顔を作れるはずです。 そのほか、面接では否定的な表現を用いないことも意識しましょう。 表情だけでなく、言葉の選び方一つでネガティブな印象を与えてしまう恐れがあります。謙遜する気持ちから、自己否定的な発言をする人もいますが、面接はアピールの場なので逆効果です。 面接によっては短所や挫折経験を聞かれることもありますが、こういったケースでは短所を短所のままで終わらせず、努力で巻き返せることをアピールすると良いでしょう。

コツ4:有意義な逆質問をする

逆質問は自分をアピールするための重要なポイントです。 逆質問をしなければ、志望先企業に興味がない、もしくは知識がないと判断されてしまいます。志望度が高い求職者と思われるためにも、企業研究で有意義な逆質問ができるようにしておきましょう。 特に最終面接は、社長や役員に対して質問できる貴重な機会です。 将来のビジョンや事業の将来性など、中長期的な内容の逆質問をすると良いでしょう。逆質問は何でも聞いていい訳ではありません。調べたら分かることや既に話した内容、待遇面ばかりの質問はかえってマイナスな印象を与えてしまうため注意が必要です。

コツ5:話をする順序に気を付ける

面接時間には限りがあります。話の内容はわかりやすく簡潔に伝えるようにしましょう。 伝わる話し方のコツは、結論から話をすることです。冒頭で自信の主張をはっきりさせてから、理由や具体例を説明すると内容が伝わりやすくなります。 逆に説明から入ってしまうと、話が長いと感じられやすいでしょう。ダラダラと話してしまうと会話のテンポが悪くなり、悪い印象を持たれてしまうかもしれません。最初にしっかり結論を述べてから、根拠となる説明やエピソードなどで、イメージが湧きやすい話し方を意識しましょう。

まとめ

ビジネスバッグを持って颯爽とあるく男性 面接は質疑応答で進行するものなので、しっかり受け答えをすることが大切です。 受け答えと言うと話の内容に注目しがちですが、実際は「マナー」や「話し方」「コミュニケーション力」などが総合的に見られています。企業が面接を行うのは「人柄や価値観を見る」「適正を判断する」という目的があり、これらを面接での話し方などで測っているのです。 面接では受け答えでは「何を話すか」より、「どう話すか」の方が重要という面もあります。 当記事を参考に「どのように自分を伝えるか」を意識して、ぜひ内定獲得を目指しましょう。